既に原因となるプログラムが特定できていて、起動しないようにしたいと言う方は、次回「msconfigを利用したプログラムの起動停止」という記事を掲載しますので、そちらを見ていただければと思います。
前回の記事ではディスク領域不足が原因でPCが重くなった場合の対応方法を掲載しましたが、今回は特定のプログラムが原因で重くなるケースを扱っていきたいと思います。
PCが重くなる原因はかなりのケースが考えられますし、複合的に起こっている場合もあるので一様に取りまとめることは難しいですが、多くの場合PCが動作する上で必要な資産(CPUやメモリ、HDDやSSDなどのストレージ)のどこかで動作不良が起こっていることが考えられます。
簡単に言ってしまえばどこかのパーツが100%以上の負荷を要求されている状態に起こりやすく、例えて言うならばCPUで起これば4歳児のお子さんに10桁×10桁の計算を暗算でさせようとしているような状態、メモリで起こっているなら家庭用のガスコンロ1個で100席収容のレストランを経営しようとしているような状態の時に起こります。
今回は確認方法が主になりますが、例えばあるプログラムをインストールしてから動作が重くなったなど、時期が特定できるタイミングから動作が重くなった場合は、手っ取り早く「復元ポイントからの復元」を行った方が早い可能性が高いです。
私のブログでもいずれ扱おうと思いますが、対応を急がれたい場合は「復元ポイントからのコンピュータの復元」を検索して対応いただければと思います。
<対象となる現象>
原因はわからないがPCの動作がとにかく重い。<対象とならない現象>
PCはそれほど重くないが、インターネットの表示が重い、ゲームが重いなどの現象(別途記事を書こうと思います)。<確認方法>
※ここに記載している内容はあくまでトラブルシューティングを前提とした内容になります。利用される方は自己責任でお願いします。作業を行った結果、PCが起動できなくなったなどの責任は私では負えません。慎重に作業してください。・ハードディスク(SSD)の空き容量を確認し、90%以上になっていたら不要なデータを削除したり他の記憶装置(ハードディスク・USBメモリ等)に退避する。<ケース1:前の記事ディスク領域不足の対応方法>
・セーフモードで起動してみる。<ケース2:ケース2以下はこの記事で紹介しています>
・通知領域を確認して普段使わないプログラムを探して止める。<ケース3>
・「タスクマネージャ」の「プロセス」タブを起動してCPUを大きく消費しているプロセスを探して止める。<ケース4>
・「タスクマネージャ」の「パフォーマンス」タブを起動して、物理メモリの使用率が大きくなりすぎていないか確認し、メモリを占有しているプログラムを止める。<ケース5>
<記事ここから>
<ケース2: セーフモード起動して動作を確認する>
今となっては使う人も少なくなってきていますが、セーフモードはトラブルシューティングを行う上でとても有効なツールです。今回の記事にはあまり関係ありませんが、Windows 7などで休止状態の端末のUSBデバイスを違う場所に差し替えたりするとWindowsが起動不良を起こし、スタートアップ修復が走ることがあります。このようなケースでセーフモード起動すれば接続されたデバイスのドライバ情報を正規化してくれるため、問題解消できたりします。
逆に知らないと必要のないスタートアップ修復を時間をかけて行う羽目になってしまいます。
Windows 8 シリーズのPCではUSB接続に関するトラブルが多くあり、最近ではWindows Updateで対応していると思いますがきちんとWindows Updateが終わっていない段階では同じような問題もあると思います。
Windows 8シリーズの場合は高速スタートアップ起動などの設定でセーフモード起動ができなくなっているので、次のリンクの記事「Windows8 セーフモード、スタートアップ: トラブルシューティングのための設定」で設定を行ってセーフモード起動ができるようにしてから対応して下さい。
上記の対応を行えば、Windows 7 でもWindows 8シリーズのPCでも同様にPCがシャットダウンしている状態から「F8キー」を連打するとセーフモード起動できます。
ただし、最近のPCはかなり性能がよくなっており、うまいこと「詳細ブートオプション」の起動タイミングを捕まえることが難しいこともあります。
ハードウェアにもよるかと思いますが、私はUEFIの画面が起動したら「F8キー」を押したままで起動しています。
起動に関する詳細については「Windows8 セーフモード、スタートアップ: トラブルシューティングのための設定」を参照してください。
「F8キー」で起動が完了したら以下のような画面が表示されます。
この中の「セーフモード」を選択し「Enterキー」を押して起動します。
ここで確認したいのは、セーフモードでPCを動かしてみて、動作がいつもより軽快かどうかということです。
この状態でPCの動作がいつもより軽快であれば、Windows の根本的な部分については問題ないと言えます。
※セーフモード起動した状態では、基本的にウィルスソフトも起動していない状態になります。つまりセーフモード起動して動作が快適である場合、
・ウィルスソフト
・他のプログラム
が原因として考えられることを念頭に置いてください。
この記事で紹介させていただいているケースの順序は、トラブルシューティングを行う際に原因の切り分けを行うことを念頭にしています。
※ここでセーフモード起動することで
Windowsそのものに問題があるか否か
を確認しているわけです。セーフモード起動して動作に問題があるようでしたら、問題はソフトウェアにあるとは考えにくく、ハードウェアのドライバやハードウェアそのもの(HDDやSSDなど含む)にあると考えるのが一般的と言えます。
ここで詳述は避けますが、ハードウェアが疑われる場合は「ハードディスクのエラーをチェックする」ことでシステムドライブに問題が発生していないか確認してみたり、直近でインストールされたドライバを疑って「復元ポイントからのシステムの復元」を試してみるのも良いかと思います。
Windows 8 上でセーフモード起動する方法は他にもありますが、別の機会に譲りたいと思います。私が上の方法を紹介している理由は「Windowsが起動しない・通常動作が難しい」などの際でも対応が可能であるためです。
<ケース3: 通知領域にある普段使わないプログラムを止める>
セーフモードで動かしてみて問題ないようでしたら、通常通り再起動して普段のWindowsを起動しましょう。ここまでで他のプログラムか、もしくはウィルスソフトが原因である可能性が高いことがわかりましたので、続いて原因となっている他のプログラムの確認方法を記述させていただきます。トラブルシューティング、特に急を要する場合で即効性がある方法は意外にも簡単な方法です。
Windows にはタスクバーが下に配置されている場合、右下に通知領域と言うものが設けられています。
右下に表示されている日時から左側に続くのが通知領域に表示されているプログラムなどで、一般的には一番右側に上を向いた三角形があり、それを押すとさらに他のプログラムが表示されます。
例で出させていただいている通知領域は私の使っているPCのもので、数がおそらくほとんどの方の半分以下ではないかと思います。使われているPCや利用状況によって大きく異なりますが、ここで見えるプログラムはほとんどがPCを起動した直後から動きだしているもので、「日本製のノートPC」であればびっくりするぐらい大量のプログラムが知らない間に動いていることに気づかされます。
ここに通知されているプログラムの数が多ければ多いほど、PCには負荷がかかっていると言って差し支えないと思います。
もう一つ、トラブルシューティングでわざわざこの方法を紹介しているのは理由があって、ここに通知されているプログラムは割と止めても大丈夫なものが多いにも関わらず、「ハマる」と効果が絶大だからです。
あるプログラムを右クリックして「終了」や「一時停止」があれば止めて、もし動作が著しく改善するようでしたら名前を書き留めておいてください。今の段階ではこの方法で止めても次回再起動すると元に戻ってしまいます。
終了というオプションがなかったら、そのアイコンの上でマウスをホバーさせる(クリックせずにポイントだけする)と普通は名前が出てきますので、その名前も候補としてわかるように書き留めて下さい。
中には名前も見せず、止めさせてもくれない質の悪いのもあります(例:ランサムウェアと呼ばれるプログラム。エロサイトから感染したりするものから、本格的に削除をさせないように作りこまれているものまで様々です)。
まずは止められるものから止めてみて、効果があるかどうかだけ確認しましょう。
ここで「通知領域」そのものにあまりなじみのない方のために、ごくごく一般的に表示されている通知領域のプログラムを紹介します。以下に紹介しているものはとても一般的なものですので、トラブルシューティングで止める必要は「ほぼ」ありません。
日時表示の左側から左に向けて、入力言語切り替え設定、IMEと呼ばれる入力言語プログラム(日本語を打てたりします。「あ」とか「A」、入力できない状態では「×」印で表示されます)、音量ミキサー(スピーカやマイクの設定を行うプログラム)、ネットワーク(携帯電話の電波状況のようになっていて、無線LAN設定を行うものもあります)、アクションセンター(Windowsから「こうした方がいいかもよ?」という通知を出してくれるプログラム)となります。
<ケース4:特定のイメージ(プロセス)がCPUを占有してしまっている場合>
最近はCPUが複数のコアで構成されているため(複数のCPUが一つのPCで動いている感じ)、特定のイメージがCPUを占有してしまったとしても動作はそこまで遅くならないと思われます。とはいえ、複数のコアが搭載されていることを前提にセキュリティソフトやアプリケーション(ソフトウェアのことですね)が作られている傾向にありますので適切なメンテナンスを行っていない場合やCPUコアが一つや二つだとすぐにCPUがひっ迫する事態になることも考えられます。
ここで紹介するケースについては同時にPCのファン(扇風機)が大きな音を出して回り続けるとか、ノートPCで言うと筐体(外側の箱のことですね)が非常に熱を持つなどの現象を伴うことが多いです。
そのような現象に見舞われた場合、まずは確認したいのが「タスクマネージャ」のプロセスタブです。
「Ctrl + Alt + Delete」キーを同時に押すと以下のような画面が表示されます。この中のタスクマネージャを選択(クリック)します。
タスクマネージャを開くと以下のような画面が表示されます。
-Windows 7の場合
この中のプロセスタブを選択します。
-Windows 8.1の場合
Windows 7の場合、今ログインしているユーザさんが使っているイメージ(プロセスとも言う:ざっくりプログラムと考えていただいていいと思います)が一覧で表示されているだけですので、「すべてのユーザーのプロセスを表示(S)」を開いて、PCが使っているすべてのイメージを参照して確認する必要があります。
この中にあるCPUの項目をクリックすると、利用率の高いCPU順に並び替えられますので、一覧のイメージ(プロセス、以下同義として扱います)の中で大きくCPUを使っているイメージを探します。
画像の左側がWindows 7、右側がWindows 8.1のタスクマネージャプロセスタブをCPU利用率が大きい順に並び替えたものになります。並び順を変えると「CPU」という項目に下向きの三角が表示されます。もう一回押すと利用率が少ない順で並び替えられます。
もし、大きくCPUを使っているイメージがありましたら、ここから先は調査が必要になります。何が原因なのかはPCによって変わってきますので名前を確認して(ちょろちょろ動いていてわかりづらい場合は見つけたイメージを名前順で探しましょう)検索する必要があります。
・・・と言われても・・・という声が聞こえてきそうなので、例を挙げて対応方法を見ていきましょう。
かつてWindows XPがPCの主流だったころ、よく聞かれたのがプリンタが「svchost.exe」というプロセスを利用してCPUを食いつぶすという問題がありました。
「svchost.exe」とウェブ検索(Google先生が優秀です)すると、それこそわんさかいろいろと教えてくれるサイトが見つかります。実際のところ、このよく悪者扱いされる「svchost」君ですが、非常に多くのアプリケーションが利用しているとても働き者なのです。しかし、たまーにこの働き者君をこき使ってしまうアプリケーションが出てきてしまいます。
プリンタが原因だった場合はいったん該当するプリンタをアンインストール(削除)して、再インストールするなどの対応が有効なケースが多かったです。
ちなみにWindows Updateが原因だった場合、関連するサービス「wuauserv」を止めて現象を確認した上で、Windows Update関連のコンポーネント再構築、Windows Updateを最新にする・・・という方法が有効でした。
Windows Updateの場合はWindowsの機能であるため対応が特殊になりましたが、一般的にはプロセスを止めることで現象が改善するケースが多いと思います。
ここでお願いですが、この記事だけをみてCPUを多く使っているプロセスがあるからと言って止めないでください。今見ていただいているイメージ(プロセス)の一覧の中には、「explorer.exe」などのWindowsが普通に動作するために必要なプログラムなども含まれ、何も知らずに止めてしまうと一般の人では元に戻せなくなります。
早まって止めてしまった人がもしいたら、落ち着いて「Ctrl + Alt + Delete」を押して右下の電源ボタンから「再起動」して下さい。この際保存していないファイルがあって強制終了してしまっても責任は取れませんのでご了承の程・・・(大体聞いてくれるので大丈夫とは思いますがw)
この記事を書いている最中に色々と参考にさせていただいたサイトさんの中で、この「explorer.exe」を敢えて止めるというつわもの記事がありましたw
誘惑を断ち切る方法
確かに他のプログラムが見えなくなるので仕事の誘惑を断ち切るという意味ではいいかもしれませんねwww
復旧の仕方がわからない人は真似しないでくださいw
プロセスの終了方法は簡単で、右クリックでWindows 7なら「プロセスの終了」か「プロセスツリーの終了」を選択、
Windows 8.1なら「タスクの終了」を選択すれば止められます。
ちなみに「explorer.exe」を止めると以下の画像のようになります。タスクバーやスタートボタンが消え、普通の作業ができなくなりますwww
<ケース5: メモリを多く占有しているイメージ(プロセス)を止める>
ケース2に近いものとしてよくあるものが、メモリが大きく占有されてPCが重くなるケースがあります。最近は64bitアーキテクチャ(わからない人は素通りして下さい。知らなくても人生は充分幸せです)のPCが主流になって、昔からは考えられない16GBとか32GBとかメモリを搭載しているモンスターPCがうじゃうじゃ出てきていますから、あまり気にされずにPCを利用している方も多いのではないでしょうか。
しかし、使い方によってはいくらモンスターでも身動きが取れなくなってしまうことがあります。低価格PCなどはまだ4GB搭載とかで十分普通に使えるため、モンスターでない子もたくさんいるでしょう。
確認の仕方は<ケース4>で開いていただいたタスクマネージャのパフォーマンスを見て、物理メモリの利用率が100%近くなっていないかをまず見ます。
この中のメモリ利用率が100%近くなっていたら、動作が重くなっていても不思議はありません。
ここで注意が必要なのは、メモリが多く使われているからと言って、何か悪さをしているプロセスがいるとは限らないことです。
普通に利用しているだけでメモリを大量消費する場合があります。それは・・・デスクトップに保存しているファイルです。
もし、メモリを大量に消費しているプロセスが見当たらなかった場合は、まずデスクトップにあるファイルをいったん「ドキュメント」などのフォルダに移動してみて下さい。これで劇的に物理メモリ利用率が減るようでしたら、それが原因です。
本題に戻らせていただきますが、メモリを大量消費しているプロセスの確認方法は<ケース4>とほとんど変わりません。<ケース4>では「プロセス」タブの「CPU」を確認しましたが、今度は「メモリ」を並び替えすればわかります。
こちらもやはり<ケース4>同様、大量にメモリを消費しているからと言っていきなり止めるのはやめてください。止めようとするプロセスが何かをきちんと確認して、できれば手順などを書いてくれているサイトを探してから行ってください。
<ケース4>、<ケース5>ともに資源(CPUやメモリ)を大量消費しているプロセスを「検索して」止めてもらうようにお願いします。ここで紹介している方法は実際にどこのテクニカルサポートの人間もいちいちWeb検索して利用するような方法です。
僕も様々なケースを見てきましたが、おそらくそれぞれ千差万別なので、一様に「これだっ( ゚Д゚)」とは言いづらいのが現状です。
わからなければコメントで私に聞いていただいても結構です。その際は画像をどうにかして添付していただければ助かります。時間に余裕があれば可能な限りサポートいたします(ただし、私も人間ですのでご希望に沿えない場合がありますこと、ご了承ください)。
再度になりますが、止めてみてPCの動作がおかしくなったら「Ctrl + Alt + Delete」を押して右下にある電源ボタンで再起動して復旧してください。また、そのようなことにならないように止めようとしているものが何かを確認して作業を行ってください。
プロセスを止めてみて、動作が改善するようならそのプロセスの名前を書き留めて下さい。実際には一度止めてもPCを再起動すると動き始めますので、次回の「msconfigを使ってプログラムを停止する方法」を参照して、該当するプログラムを起動しないようにします。
もしくは、そのプログラムが全く必要ないものでしたら、「コントロールパネル」の「プログラムと機能」から該当するプログラムを削除しても良いかと思います。
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