今回はPC全体の動作が重い場合に確認したいところについて解説していきたいと思います。
僕が某ベンダーさんのテクニカルサポートをしていた時には、結構このような問い合わせが多かったのですが、内容によってはこのトラブルは対応難易度が結構高かったように思います。
それはなぜか?というと、「こうしたらこうなった」とか「ここが動かない」とか具体的に何が問題なのかがはっきりしていれば見ていくところも絞り込みができるのですが、「動きが遅い」などの原因がいろいろと考えられるトラブルの場合は手作業で一個一個可能性をつぶしていかなければならなくなるからです。
それに、動作が重い状態の場合、リモート接続用のプログラムなどをインストールすること自体が難しいこともあるので、電話などでの誘導が前提になってしまいますし、誘導する側もされる側も、相当に我慢強さが求められるわけです。
私はこのような対応の時はできるだけユーザさんを飽きさせないような会話を心がけていました。会話の中で仲良くなっちゃうことも良くありましたw (データ削除の際、免責事項が結構多い対応になるため、仕事でこの記事を利用される方はユーザさんと一緒に作業をするのをお勧めします。後から「必要だったファイルを削除されてしまった」と言われると問題になります。)
記事を始める前に、一点だけこのブログを見ていただいている方にお願いしたいことがあります。この記事を書くために調査をしたところ、色々なサイトでPCを軽くするために「PC高速化ソフト」を勧めているサイトが散見されましたが、まずは入れるのを待って下さい。
私もすべての「PC高速化ソフト」を検証しているわけではないので、ひとまとめに言うことは避けたいのですが、メモリの解放やレジストリ最適化を謳っているソフトの中には「有償ソフトを買わせるためにわざとPCを重くするもの」も存在します。Windowsの高速化については別途項目を設けようと思いますが、まずは高速化ソフトを入れず、ここに紹介している内容を確認してください。
ここに書かれているのはWindows標準の機能で行える作業です。ここで書かせていただく内容を試していただいて、そこから使用を検討していただければと思います(私は推奨しませんが・・・)。
・ハードディスク(SSD)の空き容量を確認し、90%以上になっていたら不要なデータを削除したり他の記憶装置(ハードディスク・USBメモリ等)に退避する。<ケース1:この記事です>
・セーフモードで起動してみる。<ケース2:ケース2以下は次の記事で紹介します:特定のプログラムが重い場合>
・通知領域を確認して普段使わないプログラムを探して止める。<ケース3>
・「タスクマネージャ」の「プロセス」タブを起動してCPUを大きく消費しているプロセスを探して止める。<ケース4>
・「タスクマネージャ」の「パフォーマンス」タブを起動して、物理メモリの使用率が大きくなりすぎていないか確認し、メモリを占有しているプログラムを止める。<ケース5>
それはなぜかというと・・・
基本的に特別なきっかけがなく重くなった場合、圧倒的に多いのがシステムドライブ(システムが主に使っているドライブ:ハードディスクやSSD)の空き容量がなくなっているケースだったからです。
PCはとても便利なものですし、買ったばかりの頃は快調に使えているので忘れがちなのは理解できます。最近はハードディスクの容量が昔に比べて圧倒的に大きくなったこともあり、動画の録画データだったり写真のデータだったり、整理せずに入れ続けてもちょっとやそっとでは一杯になることがありませんから。
画面の右下に「ディスク領域不足」などと警告が出ている場合、対応はかなり難航する可能性があります。
何故かというと、この警告が出ている時点でWindows が作業できるスペースがほぼなくなっているため、コピーですらまともにさせてもらえなくなっていることが多いからです。
右側に一覧で表示されているのが、そのコンピュータ上で利用できる機器の一覧になります。
この項目の中で、「ハードディスクドライブ」の項目の一番左上に表示されている「ローカルディスク(C:)」が赤色になっていたら「ディスク領域不足」の警告がなかったとしてももう空き容量は10%以下しかありません。
丁度僕のPCも「ボリューム(E:)」がその状態になっています。僕のPCでは「E:」はシステムドライブではないので、今のところ動作には影響がありません。が、あまり望ましい状況ではないので近いうちに光学式メディア(DVDとかCDとか)にバックアップを取ろうと思います。
もしそうでなかったら<ケース2>に次に見るべき内容を書いていますので、以下は時間がある時にでも見ていただければと思います。
経験的な話で申し訳ないのですが、「ディスク領域不足」の警告が出ている場合、ディスク容量はもうほんのちょっとしかありません。どのくらい少なくなっているかというと、Windowsが作業できるスペースがない、例えばファイルのコピーをする作業スペースすらなくなっている状況です。
ここで本当にざっくりになりますが、あまり理解されていないシステムドライブ(一般的には「C:」と名前がついています)の空き容量について説明させてください。(興味の無い方は「*****システムドライブについてはこれまで*****」まで進んでいただければ対応方法まで進めます。)
オペレーティングシステムは、自分がインストールされた場所(ハードディスクやSSDなど)を使って、作業を行ってくれます。
意外に理解されていないことですが、システムドライブに使われているディスクは、ただ単にデータの保管をしているだけではなくオペレーティングシステムの作業場としても使われています。
もっとわかりやすく言うと、物流倉庫みたいなものということです。
物流倉庫ではしばらく発送が行われないものは長期保管用の場所に「わかりやすいように似た者同士を近いところに整理して」保管します。
在庫として保管されているものが発送されるとなると、保管していたスペースから荷物を取り出して、発送用のスペースに持って行き車に乗せて発送します。
そのためには保管場所に行きやすいような通路や、荷物の積み替えや発送するためのスペース、ひょっとすると組み立てを行うスペースなど、作業ができる空間が必要になってくるわけです。
逆に倉庫の空きスペースがなくなった時に何が起こるかというと、新たに入ってきた物は他に似ている在庫があるにも関わらず、その付近にスペースがないため「まったく関連性の無い別の場所」に保管されたり(PCで言うとフラグメンテーションが起こっている状態)、大量に発送する必要があるのに発送する物をまとめて置くスペースがなくなって、入れたり出したりを繰り返す間、長時間にわたってトラックを待たせてしまわなければならなくなります(スラッシングと呼ばれる状態:厳密には少し違いますが)。
考えてみていただければわかると思いますが、倉庫が物にあふれ、通路はともかく作業スペースすらなくなってしまった状態では新たなものを入れられないならまだしも、まとまった量の物を発送することすらままならなくなってしまいます。ディスク領域不足という状態はこのような状況に陥った時に初めて警告してくるのです。
PCでも同じようなことが行われており、端的な例で言うと仮想ディスク領域などがあります。
この点について細かく書き出すときりがない(メモリやCPU、キャッシュなどのそれぞれの役割については機会があれば別途記事にしたいと思います)ため、割愛させていただきますが、重要なポイントはシステムドライブと呼ばれるディスクはオペレーティングシステムにとっては作業スペースとしても機能しているということです。
ですので、システムドライブについてはある程度の空き容量を残して、それ以上にしないようにすることが、重要になってきます。
一般的には3割程度の空きスペースが健全だと言われることが多いみたいですが、最近はハードディスクに比べ圧倒的に高速である代わりに容量がとても少ないSSDなどがシステムドライブとして利用されるケースが増えています。
扱うデータ量に対してすごく制限されたスペースでオペレーティングシステムが作業を行っているわけですので、私個人は利用されているスペースを3割程度(空き領域が7割程度)に抑えるようにしています。
では、実際に「ディスク領域不足」に陥ったり、空き容量がほとんどなくてPCの動作に悪影響を及ぼしていたりした場合どのように対応したらいいでしょうか。
※まずは落ち着いて、タバコを吸う人は一服、そうでない人は心安らぐ飲み物で落ち着いてください。個人的にはドリップしたコーヒーなんかがお勧めです。
私が本格的なIT系の仕事につき始めた頃、とても驚かされた言葉があります。
「まずは落ち着け。システムで人が死ぬことはめったにない。」
「やばいっ どうしようっ( ゚Д゚)」ってなっている時に言われたので、張り手食らったぐらいのインパクトでしたが、パニックになった状態でシステムに変更を加えたりすると、思わぬ二次障害を招いてしまうことがあります。ここで対応方法を説明している内容は、どうせ向こう何時間かを要する内容です。まずは落ち着いて、腰を据えて対応する準備と気力を回復して下さい。
落ち着きましたか? 落ち着かれたようでしたら先に進めたいと思います。
まず、普通に考えれば重要なデータを退避させてあげたいところですが、これがディスク領域が不足している状況では難しいです。
細かな仕様は私も理解していないのですが、上に書いている通りPCの作業スペースがないとコピーや切り取りすら行うスペースもなくなってしまっているからです。
実際に私がこのような対応を初めて行ったとき、たまたまあった外付けハードディスクに大事だと言われていた動画ファイルを切り取って移動しようとしたのですが、何が起きたと思われますか?
答え: 無反応
何もしてくれませんでしたw エラーはおろか、全くの無反応でした。
さすがにこれだけは驚かされましたが、Windows PCはコピーや切り取りを行う際に移動しようとしているファイルのサイズと同等かそれ以上の容量の作業スペースを必要とします。
つまり、ファイルのサイズ以上の空きスペースがないと作業自体を放棄しちゃいます。先ほど例に出させていただいた物流倉庫で言うと、倉庫の作業員の人があふれたものの間に挟まってなんとか作業をしようとしても声も出すこともできないほどの状態です。
なので、まずは移動する前に、作業スペースを作ってあげましょう。
その際、右クリックして出てくる削除を「Shiftキー」を押しながら左クリックしてください。もしくはファイルを選択した状態(一回だけクリックして色が反転:色が変わった状態)で、「Shiftキー」を押しながら、「Delete」キーを押しても同じです。
そうすると、「完全に削除しますか?」と聞いてきますので、「はい」と押してください。
注意いただきたいのは、「完全に削除」するとそのファイルはもう二度と復旧できないということです(本当はできますが、普通ではできないです)。削除してよいか確認して、落ち着いて作業を進めてください。
通常、ファイルを削除すると、Windows PCでは一旦ファイルをゴミ箱に移動してくれます。ゴミ箱に移動したファイルは、後で右クリックして「元に戻す」と元あった位置に戻してくれます。
つまり、通常の削除を押しても実際にはデータを抹消してくれているわけではないということです。もっと言うと、
ドキュメントが終わったらミュージック、ビデオなどのファイルについても今一度見直してみて下さい。
エクスプローラを開き、左側にある「コンピューター」をクリック、右側に出てくる「ローカルディスクC:」を右クリックしてプロパティを開きます。
プロパティの中にあるディスククリーンアップを選択し、しばらく計算して出てきた結果の左下にある「システムファイルのクリーンアップ」を選択します(管理者権限が必要です。IDとパスワードが求められた場合は権限を持っているユーザではないと言えますので、システム管理者に相談してください。)。
押すと空き領域の計算が始まります。
システムファイルを含めたディスククリーンアップが表示されます。削除するデータカテゴリにチェックを入れて「OK」を押すと作業が始まります。
※この作業を行うと元に戻せませんので注意してください。すぐに作業を開始せず、内容がわかりにくいようでしたら少し待って最後まで読んで下さい。最後まで読んだ上で、それでも僕を信じないで他のサイトで裏打ちを取るぐらいの慎重さを持っていただければと思います。
通常のクリーンアップでは特に必要にはならないのですが、「ディスク領域不足」のエラーが出ている場合、特にこの作業を行うことで劇的にディスクスペースを増えることがあります。
この記事を読んでいただいている方の中にも、例えば「Windowsのアップグレードインストールを行った直後」からディスク容量が急に少なくなったということでこの記事にたどり着いた方がいるかもしれません。
「Windowsのアップグレードインストール」を行うと、アップグレードインストールが失敗したときのために※元の状態に戻すために必要な全ファイルを保存するため、知らない間に容量がひっ迫するということがよくあります。
システムファイルのクリーンアップは、このようなファイルも含めて一括して消去してくれるので、この方法は特に有効になるわけです。
(余談になりますが、この際に作成されるフォルダは大まかに「Windows.old」というフォルダと隠しフォルダになる「$Windows.~BT」というフォルダになります。このキーワードで探せば、削除の方法はいろいろと出てくると思います。私も機会があればこの点について触れていきたいと思います。)
もし、アップグレードインストール後に問題があり、特にドライバなどがうまく動いていないなどの現象がある場合は、迷わずMicrosoftのテクニカルサポートに連絡するとよいと思います。その時の最新情報で対応してもらえるはずです(インストール成功?後のロールバック等々)。
基本的には全ての項目にチェックを入れても大丈夫ですが、気になる項目があるようでしたら項目一つ一つ確認しながら作業をしてください。
システムファイルのクリーンアップを行うと、それまでたまっていたWindows Updateのインストール用ファイルなどの単にシステムが利用していたファイルなどが削除されていきます。メンテナンスを行っていないPCでは劇的に容量が増えると思います。
Windowsは、システムに変更が加わるタイミング、例えば何かのプログラムのインストールだったり、Windows updateだったりをするたびごとに復元ポイントと呼ばれる「元の状態に戻すためのデータ」を保存します。
このデータなんですが、普通に使っていると10GB(ギガバイト)近くの容量を使っていることがあります。今行っているのがトラブル対応で、元に戻す必要がない場合は削除しましょう。
※逆にソフトウェアのインストールを行った直後から問題が発生しているようでしたら、作業を行わずに復元ポイントからの復元で現象が改善する可能性がありますので以下は行わないで下さい。
Windows 7 の場合はスタートボタンを押して、「コンピューター」を右クリック、その中のプロパティを選択します。
Windows 8シリーズの場合は入り口だけ少し違っていて、左下のスタートボタン(か、Windows 8 の場合は画面左下隅)を右クリックして、「システム」を開きます。Windows用のPCであればキーボード左下にあるWindowsキー(窓格子がついた窓のようなマークのキー)を押しながら「X」を押してもメニューが出てきます。
画面の左側にある「システムの保護」を押します(Win8シリーズ、Win7でほとんど画面は変わりません)。
開いたシステムのプロパティ画面の下の方に「構成」というボタンがあるので、これを押し、
「システムの保護対象 ローカルディスク(C:)」の画面右下にある、「削除」ボタンを押すと削除できます。
この操作を行う上で注意しなければならないのは、削除してしまうとシステムの復元ができなくなるということです。再びの注意になりますが、もし何かのプログラムをインストールしてから問題が発生しているのであれば、この対応は行わないで残しておきましょう。
トラブルシューティングを行っている場合は、IE(インターネットエクスプローラ:このマーク)を開くと時間がかかってしまうため、全てのコントロールパネル項目にある、インターネットのプロパティから閲覧の履歴にある削除ボタンを押し、必要のないものは削除しましょう。
コントロールパネルを開き、表示方法を「小さなアイコン」にするとその中に「インターネットオプション」があります。
「閲覧の履歴」の項目の中に削除と言うボタンがあります。
「閲覧の履歴の削除」の項目にあるチェックボックスで問題のなさそうな項目を選択して右下の削除ボタンを押します。
上の4つは削除しても特に問題ないと思います。過去に閲覧したサイトの表示を速くするために保存しているものです。
「ダウンロードの履歴」は過去に自動でダウンロードされたファイルです。もし過去にダウンロードしたかも知れないものの中で、どこからダウンロードしたかわからないものがあれば、必要かもしれません。でなければ必要ありません。
「フォームデータ」は過去のインターネットエクスプローラ(IE)に入力した内容を覚えてくれているものです。例えばGoogleに検索文字列を入力した内容、例えば「パソコンが重い」「パソコンが遅い」という入力したら「パソコン」と入力したタイミングで下に過去に「こんな内容を入力したよ」ということで一覧で見せてくれるものです。よく使うのであれば残していても大きく影響するものではないと思います。
パスワードなどについては削除したくないものもあるかもしれません。例えばゲームを行う時のパスワードなどは入れたままになっていて忘れている場合もあるので、そのような場合はチェックしない方が良いかもしれません。
ただし、パスワードをIEなどに記憶させるのは私は推奨しません。
「追跡防止・・・」他のデータはそのままにしておきましょう。
話がそれてしまいますが、クローン作製のためのPCキッティングの場合、ドライバなどを入れていくために相当のファイルをインターネットから取得します。これらのファイルなどを一括して削除するのにも、とても有効です。
ここまで方法のその5までご説明しましたが、大体のケースではここまでやると空きスペースはそれなりに(少なくとも数GB程度)空いているはずですので、後は外付けのハードディスクなど、システムドライブ以外のストレージ(記憶装置:ハードディスクやSSDなど)に動画などの重いファイルを「切り取って」移動して下さい。
PCの重い原因がシステムドライブでしたら、ここまでの内容でかなり軽減していると思います。次の記事ではCPUやメモリを占有したプログラムがある場合などを扱いたいと思います。
⇒ 次の記事はこちら:特定のプログラムが重い場合
僕が某ベンダーさんのテクニカルサポートをしていた時には、結構このような問い合わせが多かったのですが、内容によってはこのトラブルは対応難易度が結構高かったように思います。
それはなぜか?というと、「こうしたらこうなった」とか「ここが動かない」とか具体的に何が問題なのかがはっきりしていれば見ていくところも絞り込みができるのですが、「動きが遅い」などの原因がいろいろと考えられるトラブルの場合は手作業で一個一個可能性をつぶしていかなければならなくなるからです。
それに、動作が重い状態の場合、リモート接続用のプログラムなどをインストールすること自体が難しいこともあるので、電話などでの誘導が前提になってしまいますし、誘導する側もされる側も、相当に我慢強さが求められるわけです。
私はこのような対応の時はできるだけユーザさんを飽きさせないような会話を心がけていました。会話の中で仲良くなっちゃうことも良くありましたw (データ削除の際、免責事項が結構多い対応になるため、仕事でこの記事を利用される方はユーザさんと一緒に作業をするのをお勧めします。後から「必要だったファイルを削除されてしまった」と言われると問題になります。)
記事を始める前に、一点だけこのブログを見ていただいている方にお願いしたいことがあります。この記事を書くために調査をしたところ、色々なサイトでPCを軽くするために「PC高速化ソフト」を勧めているサイトが散見されましたが、まずは入れるのを待って下さい。
私もすべての「PC高速化ソフト」を検証しているわけではないので、ひとまとめに言うことは避けたいのですが、メモリの解放やレジストリ最適化を謳っているソフトの中には「有償ソフトを買わせるためにわざとPCを重くするもの」も存在します。Windowsの高速化については別途項目を設けようと思いますが、まずは高速化ソフトを入れず、ここに紹介している内容を確認してください。
ここに書かれているのはWindows標準の機能で行える作業です。ここで書かせていただく内容を試していただいて、そこから使用を検討していただければと思います(私は推奨しませんが・・・)。
<対象となる現象>
原因はわからないがPCの動作がとにかく重い。<対象とならない現象>
PCはそれほど重くないが、インターネットの表示が重い、ゲームが重いなどの現象(別途記事を書こうと思います)。<対応・確認方法>
※ここに記載している内容はあくまでトラブルシューティングを前提とした内容になります。利用される方は自己責任でお願いします。必要なデータの消失などについて私では責任を負えません。慎重に作業してください。・ハードディスク(SSD)の空き容量を確認し、90%以上になっていたら不要なデータを削除したり他の記憶装置(ハードディスク・USBメモリ等)に退避する。<ケース1:この記事です>
・セーフモードで起動してみる。<ケース2:ケース2以下は次の記事で紹介します:特定のプログラムが重い場合>
・通知領域を確認して普段使わないプログラムを探して止める。<ケース3>
・「タスクマネージャ」の「プロセス」タブを起動してCPUを大きく消費しているプロセスを探して止める。<ケース4>
・「タスクマネージャ」の「パフォーマンス」タブを起動して、物理メモリの使用率が大きくなりすぎていないか確認し、メモリを占有しているプログラムを止める。<ケース5>
<記事ここから>
「最近PCがとても重くて使えなくなったんよ・・・」という問い合わせは、テクニカルサポートをしているとよくある話でした。この対応が入った瞬間に、相当の時間がかかることを覚悟していたものです。それはなぜかというと・・・
基本的に特別なきっかけがなく重くなった場合、圧倒的に多いのがシステムドライブ(システムが主に使っているドライブ:ハードディスクやSSD)の空き容量がなくなっているケースだったからです。
PCはとても便利なものですし、買ったばかりの頃は快調に使えているので忘れがちなのは理解できます。最近はハードディスクの容量が昔に比べて圧倒的に大きくなったこともあり、動画の録画データだったり写真のデータだったり、整理せずに入れ続けてもちょっとやそっとでは一杯になることがありませんから。
画面の右下に「ディスク領域不足」などと警告が出ている場合、対応はかなり難航する可能性があります。
何故かというと、この警告が出ている時点でWindows が作業できるスペースがほぼなくなっているため、コピーですらまともにさせてもらえなくなっていることが多いからです。
<ケース1:システムドライブの空き容量が少ない場合の対応方法>
まずエクスプローラと呼ばれる、おそらく画面左下のスタートボタンに近いところにある「フォルダ」のマークをクリックして、左側に表示されているはずの「コンピューター」をクリックします。右側に一覧で表示されているのが、そのコンピュータ上で利用できる機器の一覧になります。
この項目の中で、「ハードディスクドライブ」の項目の一番左上に表示されている「ローカルディスク(C:)」が赤色になっていたら「ディスク領域不足」の警告がなかったとしてももう空き容量は10%以下しかありません。
丁度僕のPCも「ボリューム(E:)」がその状態になっています。僕のPCでは「E:」はシステムドライブではないので、今のところ動作には影響がありません。が、あまり望ましい状況ではないので近いうちに光学式メディア(DVDとかCDとか)にバックアップを取ろうと思います。
もしそうでなかったら<ケース2>に次に見るべき内容を書いていますので、以下は時間がある時にでも見ていただければと思います。
経験的な話で申し訳ないのですが、「ディスク領域不足」の警告が出ている場合、ディスク容量はもうほんのちょっとしかありません。どのくらい少なくなっているかというと、Windowsが作業できるスペースがない、例えばファイルのコピーをする作業スペースすらなくなっている状況です。
ここで本当にざっくりになりますが、あまり理解されていないシステムドライブ(一般的には「C:」と名前がついています)の空き容量について説明させてください。(興味の無い方は「*****システムドライブについてはこれまで*****」まで進んでいただければ対応方法まで進めます。)
*****システムドライブの考え方*****
システムドライブと言われてもなかなか何のことかわかりづらいと思いますが、簡単に言えばオペレーティングシステム(ここではWindows)がインストールされている場所のことを指します。オペレーティングシステムは、自分がインストールされた場所(ハードディスクやSSDなど)を使って、作業を行ってくれます。
意外に理解されていないことですが、システムドライブに使われているディスクは、ただ単にデータの保管をしているだけではなくオペレーティングシステムの作業場としても使われています。
もっとわかりやすく言うと、物流倉庫みたいなものということです。
物流倉庫ではしばらく発送が行われないものは長期保管用の場所に「わかりやすいように似た者同士を近いところに整理して」保管します。
在庫として保管されているものが発送されるとなると、保管していたスペースから荷物を取り出して、発送用のスペースに持って行き車に乗せて発送します。
そのためには保管場所に行きやすいような通路や、荷物の積み替えや発送するためのスペース、ひょっとすると組み立てを行うスペースなど、作業ができる空間が必要になってくるわけです。
逆に倉庫の空きスペースがなくなった時に何が起こるかというと、新たに入ってきた物は他に似ている在庫があるにも関わらず、その付近にスペースがないため「まったく関連性の無い別の場所」に保管されたり(PCで言うとフラグメンテーションが起こっている状態)、大量に発送する必要があるのに発送する物をまとめて置くスペースがなくなって、入れたり出したりを繰り返す間、長時間にわたってトラックを待たせてしまわなければならなくなります(スラッシングと呼ばれる状態:厳密には少し違いますが)。
考えてみていただければわかると思いますが、倉庫が物にあふれ、通路はともかく作業スペースすらなくなってしまった状態では新たなものを入れられないならまだしも、まとまった量の物を発送することすらままならなくなってしまいます。ディスク領域不足という状態はこのような状況に陥った時に初めて警告してくるのです。
PCでも同じようなことが行われており、端的な例で言うと仮想ディスク領域などがあります。
この点について細かく書き出すときりがない(メモリやCPU、キャッシュなどのそれぞれの役割については機会があれば別途記事にしたいと思います)ため、割愛させていただきますが、重要なポイントはシステムドライブと呼ばれるディスクはオペレーティングシステムにとっては作業スペースとしても機能しているということです。
ですので、システムドライブについてはある程度の空き容量を残して、それ以上にしないようにすることが、重要になってきます。
一般的には3割程度の空きスペースが健全だと言われることが多いみたいですが、最近はハードディスクに比べ圧倒的に高速である代わりに容量がとても少ないSSDなどがシステムドライブとして利用されるケースが増えています。
扱うデータ量に対してすごく制限されたスペースでオペレーティングシステムが作業を行っているわけですので、私個人は利用されているスペースを3割程度(空き領域が7割程度)に抑えるようにしています。
*****システムドライブについてはこれまで*****
では、実際に「ディスク領域不足」に陥ったり、空き容量がほとんどなくてPCの動作に悪影響を及ぼしていたりした場合どのように対応したらいいでしょうか。
※まずは落ち着いて、タバコを吸う人は一服、そうでない人は心安らぐ飲み物で落ち着いてください。個人的にはドリップしたコーヒーなんかがお勧めです。
私が本格的なIT系の仕事につき始めた頃、とても驚かされた言葉があります。
「まずは落ち着け。システムで人が死ぬことはめったにない。」
「やばいっ どうしようっ( ゚Д゚)」ってなっている時に言われたので、張り手食らったぐらいのインパクトでしたが、パニックになった状態でシステムに変更を加えたりすると、思わぬ二次障害を招いてしまうことがあります。ここで対応方法を説明している内容は、どうせ向こう何時間かを要する内容です。まずは落ち着いて、腰を据えて対応する準備と気力を回復して下さい。
落ち着きましたか? 落ち着かれたようでしたら先に進めたいと思います。
まず、普通に考えれば重要なデータを退避させてあげたいところですが、これがディスク領域が不足している状況では難しいです。
細かな仕様は私も理解していないのですが、上に書いている通りPCの作業スペースがないとコピーや切り取りすら行うスペースもなくなってしまっているからです。
実際に私がこのような対応を初めて行ったとき、たまたまあった外付けハードディスクに大事だと言われていた動画ファイルを切り取って移動しようとしたのですが、何が起きたと思われますか?
答え: 無反応
何もしてくれませんでしたw エラーはおろか、全くの無反応でした。
さすがにこれだけは驚かされましたが、Windows PCはコピーや切り取りを行う際に移動しようとしているファイルのサイズと同等かそれ以上の容量の作業スペースを必要とします。
つまり、ファイルのサイズ以上の空きスペースがないと作業自体を放棄しちゃいます。先ほど例に出させていただいた物流倉庫で言うと、倉庫の作業員の人があふれたものの間に挟まってなんとか作業をしようとしても声も出すこともできないほどの状態です。
なので、まずは移動する前に、作業スペースを作ってあげましょう。
-ディスクの空き容量を増やす方法 その1: ゴミ箱を空に
まずはごみ箱を見て、全部不要ならゴミ箱を空にしましょう。-ディスクの空き容量を増やす方法 その2: 不要なファイルの完全削除
次に基本中の基本、デスクトップやドキュメントなどにある不要なファイルを削除して掃除しましょう。その際、右クリックして出てくる削除を「Shiftキー」を押しながら左クリックしてください。もしくはファイルを選択した状態(一回だけクリックして色が反転:色が変わった状態)で、「Shiftキー」を押しながら、「Delete」キーを押しても同じです。
そうすると、「完全に削除しますか?」と聞いてきますので、「はい」と押してください。
注意いただきたいのは、「完全に削除」するとそのファイルはもう二度と復旧できないということです(本当はできますが、普通ではできないです)。削除してよいか確認して、落ち着いて作業を進めてください。
つまり、通常の削除を押しても実際にはデータを抹消してくれているわけではないということです。もっと言うと、
データを抹消してはいない
↓↓
ディスク容量を使ったままになっている
↓↓
データ容量は普通の削除をしても増えない
ということです。ドキュメントが終わったらミュージック、ビデオなどのファイルについても今一度見直してみて下さい。
-ディスクの空き容量を増やす方法 その3: ディスククリーンアップ
次にディスククリーンアップをしましょう。エクスプローラを開き、左側にある「コンピューター」をクリック、右側に出てくる「ローカルディスクC:」を右クリックしてプロパティを開きます。
プロパティの中にあるディスククリーンアップを選択し、しばらく計算して出てきた結果の左下にある「システムファイルのクリーンアップ」を選択します(管理者権限が必要です。IDとパスワードが求められた場合は権限を持っているユーザではないと言えますので、システム管理者に相談してください。)。
押すと空き領域の計算が始まります。
システムファイルを含めたディスククリーンアップが表示されます。削除するデータカテゴリにチェックを入れて「OK」を押すと作業が始まります。
※この作業を行うと元に戻せませんので注意してください。すぐに作業を開始せず、内容がわかりにくいようでしたら少し待って最後まで読んで下さい。最後まで読んだ上で、それでも僕を信じないで他のサイトで裏打ちを取るぐらいの慎重さを持っていただければと思います。
通常のクリーンアップでは特に必要にはならないのですが、「ディスク領域不足」のエラーが出ている場合、特にこの作業を行うことで劇的にディスクスペースを増えることがあります。
この記事を読んでいただいている方の中にも、例えば「Windowsのアップグレードインストールを行った直後」からディスク容量が急に少なくなったということでこの記事にたどり着いた方がいるかもしれません。
「Windowsのアップグレードインストール」を行うと、アップグレードインストールが失敗したときのために※元の状態に戻すために必要な全ファイルを保存するため、知らない間に容量がひっ迫するということがよくあります。
システムファイルのクリーンアップは、このようなファイルも含めて一括して消去してくれるので、この方法は特に有効になるわけです。
(余談になりますが、この際に作成されるフォルダは大まかに「Windows.old」というフォルダと隠しフォルダになる「$Windows.~BT」というフォルダになります。このキーワードで探せば、削除の方法はいろいろと出てくると思います。私も機会があればこの点について触れていきたいと思います。)
もし、アップグレードインストール後に問題があり、特にドライバなどがうまく動いていないなどの現象がある場合は、迷わずMicrosoftのテクニカルサポートに連絡するとよいと思います。その時の最新情報で対応してもらえるはずです(インストール成功?後のロールバック等々)。
基本的には全ての項目にチェックを入れても大丈夫ですが、気になる項目があるようでしたら項目一つ一つ確認しながら作業をしてください。
-ディスクの空き容量を増やす方法 その4: 復元ポイントの削除
復元ポイントのデータを削除しましょう。Windowsは、システムに変更が加わるタイミング、例えば何かのプログラムのインストールだったり、Windows updateだったりをするたびごとに復元ポイントと呼ばれる「元の状態に戻すためのデータ」を保存します。
このデータなんですが、普通に使っていると10GB(ギガバイト)近くの容量を使っていることがあります。今行っているのがトラブル対応で、元に戻す必要がない場合は削除しましょう。
※逆にソフトウェアのインストールを行った直後から問題が発生しているようでしたら、作業を行わずに復元ポイントからの復元で現象が改善する可能性がありますので以下は行わないで下さい。
Windows 7 の場合はスタートボタンを押して、「コンピューター」を右クリック、その中のプロパティを選択します。
Windows 8シリーズの場合は入り口だけ少し違っていて、左下のスタートボタン(か、Windows 8 の場合は画面左下隅)を右クリックして、「システム」を開きます。Windows用のPCであればキーボード左下にあるWindowsキー(窓格子がついた窓のようなマークのキー)を押しながら「X」を押してもメニューが出てきます。
画面の左側にある「システムの保護」を押します(Win8シリーズ、Win7でほとんど画面は変わりません)。
開いたシステムのプロパティ画面の下の方に「構成」というボタンがあるので、これを押し、
「システムの保護対象 ローカルディスク(C:)」の画面右下にある、「削除」ボタンを押すと削除できます。
この操作を行う上で注意しなければならないのは、削除してしまうとシステムの復元ができなくなるということです。再びの注意になりますが、もし何かのプログラムをインストールしてから問題が発生しているのであれば、この対応は行わないで残しておきましょう。
-ディスクの空き容量を増やす方法 その5: IEの閲覧の履歴削除
ここはそれほどの容量があるかは不明ですが、長くなんのメンテナンスもしてなかったとしたら結構な容量を使っているかもしれません。トラブルシューティングを行っている場合は、IE(インターネットエクスプローラ:このマーク)を開くと時間がかかってしまうため、全てのコントロールパネル項目にある、インターネットのプロパティから閲覧の履歴にある削除ボタンを押し、必要のないものは削除しましょう。
コントロールパネルを開き、表示方法を「小さなアイコン」にするとその中に「インターネットオプション」があります。
「閲覧の履歴」の項目の中に削除と言うボタンがあります。
「閲覧の履歴の削除」の項目にあるチェックボックスで問題のなさそうな項目を選択して右下の削除ボタンを押します。
上の4つは削除しても特に問題ないと思います。過去に閲覧したサイトの表示を速くするために保存しているものです。
「ダウンロードの履歴」は過去に自動でダウンロードされたファイルです。もし過去にダウンロードしたかも知れないものの中で、どこからダウンロードしたかわからないものがあれば、必要かもしれません。でなければ必要ありません。
「フォームデータ」は過去のインターネットエクスプローラ(IE)に入力した内容を覚えてくれているものです。例えばGoogleに検索文字列を入力した内容、例えば「パソコンが重い」「パソコンが遅い」という入力したら「パソコン」と入力したタイミングで下に過去に「こんな内容を入力したよ」ということで一覧で見せてくれるものです。よく使うのであれば残していても大きく影響するものではないと思います。
パスワードなどについては削除したくないものもあるかもしれません。例えばゲームを行う時のパスワードなどは入れたままになっていて忘れている場合もあるので、そのような場合はチェックしない方が良いかもしれません。
ただし、パスワードをIEなどに記憶させるのは私は推奨しません。
「追跡防止・・・」他のデータはそのままにしておきましょう。
話がそれてしまいますが、クローン作製のためのPCキッティングの場合、ドライバなどを入れていくために相当のファイルをインターネットから取得します。これらのファイルなどを一括して削除するのにも、とても有効です。
ここまで方法のその5までご説明しましたが、大体のケースではここまでやると空きスペースはそれなりに(少なくとも数GB程度)空いているはずですので、後は外付けのハードディスクなど、システムドライブ以外のストレージ(記憶装置:ハードディスクやSSDなど)に動画などの重いファイルを「切り取って」移動して下さい。
PCの重い原因がシステムドライブでしたら、ここまでの内容でかなり軽減していると思います。次の記事ではCPUやメモリを占有したプログラムがある場合などを扱いたいと思います。
⇒ 次の記事はこちら:特定のプログラムが重い場合
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