2016年11月5日土曜日

検証してみた: 50度以上の湯に90秒以上曝すとカビは死滅するか?

家のかあちゃんはテレビっ子である。料理や生活、健康に関する番組をよく見ている。

一方俺は地デ鹿のおかげでB-Casカードが導入されて、PCに挿していたテレビカードで見ていたテレビも探知されたのか、以来めちゃくちゃNHKのお宅訪問が増えたのでカードをぶち抜いた。以来訪問はなくなった。
おそらくNHKの方たちには相当な情報が流れているのではないかと勘繰りたくなった。

ステルスマーケティングでわけのわからない洗脳されて、その上お金払うよりは自分の好きな動画だけ見ていた方がよほど健全だと思うのだ。(今日はトラブルシューティング系の話でないので普段の言葉遣いで失礼・・・。)

話がそれてしまったが、そんなわけでテレビのお役立ち情報は「うちの(リアル)かあちゃんフィルタ」を通して俺に届いている、とこういう次第で。

それで、ずいぶん前になるが風呂のカビの話をしたところ、「ためしてガッテン」という番組で「50度のお湯を90秒以上かけ続けると死滅するらしい」と言われた。

大部分ってどの程度だ?っていうか死滅ってほんとに完全にいなくなるってことでないのか?という疑問を持ちつつも確かに一定以上の熱に曝露されれば死ぬかもしれないなぁ・・・と気にはなっていた。

その時の疑問を端的にまとめると、カビって「風の谷のナウシカ」の「蟲」の世界並みに増殖が激しくて、
「だめだぁ・・・こんなところまで菌糸が来ているっ (ノД`)・゜・。」
ってな具合に繁殖力が激しいイメージがあって、「大部分が死滅」したところで実行制圧能力に疑問がある・・・と、こう思ったわけであるっ ( ゚Д゚)

で、実際にどのくらいの繁殖力なのかと調べてみると、案の定
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米一粒がカビの菌糸一つだと考えた場合、一粒が1週間で直径60mの稲田に成長するぐらいの速度
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だと言うではないか ( ゚Д゚)
(出展: 知られざるカビのすごさ:衛生微生物研究センター

どのくらいの粒数になるか計算するのはめんどくさすぎるので置いておいたとして、そのぐらいの繁殖力のある奴がタイルやプラスティックの隙間に根を降ろしているとしたら、そいつらが死ぬ確率って・・・

と俺の頭の中では以下のような普通曲線が頭をよぎるのである
普通曲線イメージ図
(出典: Math is FUN: Standard Normal Distribution Table ⇒ このサイトはよくできていて普通曲線上の偏差?というのがどの辺でどの割合になるかを見せてくれる。(※俺は統計学を本気で勉強したのがアメリカだったので、日本語でどのように言うかよくわからないし、内容が分かれば日本語でなんというかについて興味もない。ちなみに俺は理系の人でもない。)

仮に「3 standard deviation」が90秒だとして、99.87%が死ぬ ⇒ 0.13%は生きている ⇒ そいつらがまた増殖する ということなのではないのかっ?! とこう考えてしまうのである。

ちなみにアメリカで勉強した際に、まさにMBA受講のPrerequisites(受講に先立って取得が必要な講義?)だった統計学で、「権威があるからと言って手放しに信じるという姿勢は科学的とは言えない。」と言われて以降、俺は全てを疑ってみることにしているため、天下のNHK様が言ったからと言ってとても信じる気にはなれない。

しかし、この辺のお役立ち情報はブログに書かれている件数が多いわりに、実際にやってみて、効果がどうだったのか?という点について書いてくれているところが見つからなかったので、自分なりに納得のいく形で検証してみた。

<検証方法>

バケツの中にカビが生えている対象物を入れ、そのバケツを60度弱程度のお湯で満たしたまま、15分以上の間温度を保つ。
今回対象物: 取り外しができるシンクと風呂場の排水口部品、及び浴室ラック(分解済み)

<検証結果確認方法>

事前に可能な限りお湯と中性洗剤を使ってスポンジで洗浄し、その時点で残っているカビと思われるものが上記条件のお湯に暴露された後に同条件で洗浄をした際の違いを確認する。

<結果>

かなりの効果が確認できる。詳細は下記記事に譲る。
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<記事ここから>

前置きが長すぎるがw


上の実験をするために欠かすことができないのが水温計なのだが、これを探すために近所のシマチューさんを1時間散策した挙句、目的外の内装屋さんご用達のカッターを買ってしまった orz
大体水温計がこれだけ探すのに苦労するものだとは事前に想像し難いが、今の日本では中年男性が想像する温度計は通常手に入りにくいものらしい。

水温計が欲しい時は、揚げ物用の鍋付近を探すことをお勧めしたい。

<水温計>

TanitaさんはR-1ヨーグルトを培養するための保温器で大変お世話になっている。いい仕事してくれること請け合いだ。

<実験方法>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか
バケツに対象物を入れ、重しのために砥石を上から押さえつける形で入れる。
お湯は流しっぱなしにして、常に一定以上の温度になるようにする。
大体58℃を保っているのがわかる。このまま15分以上(合間に色々しているので15分以上曝露していることだけ担保している)放置する。
90秒を「3 standard deviation」だとすると、「30 standard deviation」の効果が期待できる・・・というのは文系の言い訳に過ぎない。「充分長い間曝露した」と言いたいがための時間である。

<排水口パーツ全体:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 全体:前
後の言い訳にしたくないので、かなり真剣に洗浄している。ちなみに使ったのはいつもの歯ブラシの使い古しとスポンジである。

<排水口パーツ全体:実施後>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 全体:後
色々裏返しになっているため、見た目の違いが公平に評価できない。が、ちょっと綺麗に見える。ちなみに画像右下に見えているのは今回検証のために購入したブラシである。
色々な大きさの隙間に入り込んで掃除してくれるすぐれものである。ちなみにメーカ等の情報は既に捨ててしまった。どうせどこにでもある。

<風呂場排水口、目皿:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室目皿:前
この写真を後から見て、上で紹介したブラシで間を洗っていないことに気がついた。
この写真は検証の材料にはなれない、が参考にはなるかもしれない。

<風呂場排水口、目皿:実施後>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室目皿:後
一見影にしか見えなかった実施前の写真の隙間が実はカビの集落の塊だったことがわかる。集落と言うよりは東海道五十三次である。ちなみに東海道五十三次の現代版であることを申し添えておく。

<風呂場排水口、本体:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室排水口:前
これでも結構本気で使い古しの歯ブラシで洗ったつもりである。端の方の黒ずみにお気づきいただけるだろうか。

<風呂場排水口、本体:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室排水口:後
このパーツを洗った時の感想は、同じ歯ブラシを使って数十回こすって取れなかったカビが、2・3回こすっただけで何もなかったかのように取れてしまうということである。
これはプラスティック表面に根を張っていたカビの根がお湯の力で取れてしまったということだろうか。初めから何もなかったかのような表面の美しさである。

<浴室用ラック、土台:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:前

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:前

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:前
この手の浴室用ラックは抗菌加工しているというのが大体謳い文句だが、中年男子のヘヴィデューティには耐えられないようだ。
どれだけこすっても消えない集落が存在する。これは本当に、すごい勢いでこすっても取れない集落だ。「下々の者どもがこれほどまでに土地に執着するとはわらわも想像していなかったぞよ・・・」という声が聞こえてきそうである。

<浴室用ラック、土台:実施後>

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:後

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:後

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:後
「言うたであろ?わらわの言った通り土地に張り付くなど愚の骨頂ぢゃっ」
結構本気でこすった実施前とは比べ物にならないほど軽い労力でカビの根が見えなくなってしまった。

今回の実証実験で言えることは、「50度以上のお湯に15分以上曝露されるとカビは驚くほど簡単にこすって取れる」ということである。
そういえば「ためしてガッテン」ではこするなとか書いてあったな・・・ カビはコスって落とすものだっ 異論は認めんっ (ノД`)・゜・。 (パッキン等ゴム製製品をこするのはやめましょう)

風呂場の壁面等、お湯に浸せない状態のものについてはいずれ時が満ちた時に検証するものとする。
今日のところはこれで勘弁してやるっ( ゚Д゚)
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