2016年12月10日土曜日

パソコンが重くて使えない? ケース2~5/5 特定のプログラムが重い場合

今回は前回のディスク領域不足の対応の続きで、PCが重い場合に原因を特定する方法について説明していきたいと思います。
既に原因となるプログラムが特定できていて、起動しないようにしたいと言う方は、次回「msconfigを利用したプログラムの起動停止」という記事を掲載しますので、そちらを見ていただければと思います。

前回の記事ではディスク領域不足が原因でPCが重くなった場合の対応方法を掲載しましたが、今回は特定のプログラムが原因で重くなるケースを扱っていきたいと思います。

PCが重くなる原因はかなりのケースが考えられますし、複合的に起こっている場合もあるので一様に取りまとめることは難しいですが、多くの場合PCが動作する上で必要な資産(CPUやメモリ、HDDやSSDなどのストレージ)のどこかで動作不良が起こっていることが考えられます。

簡単に言ってしまえばどこかのパーツが100%以上の負荷を要求されている状態に起こりやすく、例えて言うならばCPUで起これば4歳児のお子さんに10桁×10桁の計算を暗算でさせようとしているような状態メモリで起こっているなら家庭用のガスコンロ1個で100席収容のレストランを経営しようとしているような状態の時に起こります。

今回は確認方法が主になりますが、例えばあるプログラムをインストールしてから動作が重くなったなど、時期が特定できるタイミングから動作が重くなった場合は、手っ取り早く「復元ポイントからの復元」を行った方が早い可能性が高いです。
私のブログでもいずれ扱おうと思いますが、対応を急がれたい場合は「復元ポイントからのコンピュータの復元」を検索して対応いただければと思います。

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<対象となる現象>

原因はわからないがPCの動作がとにかく重い。

<対象とならない現象>

PCはそれほど重くないが、インターネットの表示が重い、ゲームが重いなどの現象(別途記事を書こうと思います)。

<確認方法>

ここに記載している内容はあくまでトラブルシューティングを前提とした内容になります。利用される方は自己責任でお願いします。作業を行った結果、PCが起動できなくなったなどの責任は私では負えません。慎重に作業してください。

・ハードディスク(SSD)の空き容量を確認し、90%以上になっていたら不要なデータを削除したり他の記憶装置(ハードディスク・USBメモリ等)に退避する。<ケース1:前の記事ディスク領域不足の対応方法

セーフモードで起動してみる。<ケース2:ケース2以下はこの記事で紹介しています>
・通知領域を確認して普段使わないプログラムを探して止める。<ケース3>
・「タスクマネージャ」の「プロセス」タブを起動してCPUを大きく消費しているプロセスを探して止める。<ケース4>
・「タスクマネージャ」の「パフォーマンス」タブを起動して、物理メモリの使用率が大きくなりすぎていないか確認し、メモリを占有しているプログラムを止める。<ケース5>

<記事ここから>

<ケース2: セーフモード起動して動作を確認する>

今となっては使う人も少なくなってきていますが、セーフモードはトラブルシューティングを行う上でとても有効なツールです。

今回の記事にはあまり関係ありませんが、Windows 7などで休止状態の端末のUSBデバイスを違う場所に差し替えたりするとWindowsが起動不良を起こし、スタートアップ修復が走ることがあります。このようなケースでセーフモード起動すれば接続されたデバイスのドライバ情報を正規化してくれるため、問題解消できたりします。

逆に知らないと必要のないスタートアップ修復を時間をかけて行う羽目になってしまいます。

Windows 8 シリーズのPCではUSB接続に関するトラブルが多くあり、最近ではWindows Updateで対応していると思いますがきちんとWindows Updateが終わっていない段階では同じような問題もあると思います。

Windows 8シリーズの場合は高速スタートアップ起動などの設定でセーフモード起動ができなくなっているので、次のリンクの記事「Windows8 セーフモード、スタートアップ: トラブルシューティングのための設定」で設定を行ってセーフモード起動ができるようにしてから対応して下さい。

上記の対応を行えば、Windows 7 でもWindows 8シリーズのPCでも同様にPCがシャットダウンしている状態から「F8キー」を連打するとセーフモード起動できます。
ただし、最近のPCはかなり性能がよくなっており、うまいこと「詳細ブートオプション」の起動タイミングを捕まえることが難しいこともあります。
ハードウェアにもよるかと思いますが、私はUEFIの画面が起動したら「F8キー」を押したままで起動しています。

起動に関する詳細については「Windows8 セーフモード、スタートアップ: トラブルシューティングのための設定」を参照してください。

「F8キー」で起動が完了したら以下のような画面が表示されます。


この中の「セーフモード」を選択し「Enterキー」を押して起動します。

ここで確認したいのは、セーフモードでPCを動かしてみて、動作がいつもより軽快かどうかということです。
この状態でPCの動作がいつもより軽快であれば、Windows の根本的な部分については問題ないと言えます。

※セーフモード起動した状態では、基本的にウィルスソフトも起動していない状態になります。つまりセーフモード起動して動作が快適である場合、
・ウィルスソフト
・他のプログラム
が原因として考えられることを念頭に置いてください。

この記事で紹介させていただいているケースの順序は、トラブルシューティングを行う際に原因の切り分けを行うことを念頭にしています。
※ここでセーフモード起動することで
Windowsそのものに問題があるか否か
を確認しているわけです。

セーフモード起動して動作に問題があるようでしたら、問題はソフトウェアにあるとは考えにくく、ハードウェアのドライバやハードウェアそのもの(HDDやSSDなど含む)にあると考えるのが一般的と言えます。

ここで詳述は避けますが、ハードウェアが疑われる場合は「ハードディスクのエラーをチェックする」ことでシステムドライブに問題が発生していないか確認してみたり、直近でインストールされたドライバを疑って「復元ポイントからのシステムの復元」を試してみるのも良いかと思います。

Windows 8 上でセーフモード起動する方法は他にもありますが、別の機会に譲りたいと思います。私が上の方法を紹介している理由は「Windowsが起動しない・通常動作が難しい」などの際でも対応が可能であるためです。


<ケース3: 通知領域にある普段使わないプログラムを止める>

セーフモードで動かしてみて問題ないようでしたら、通常通り再起動して普段のWindowsを起動しましょう。ここまでで他のプログラムか、もしくはウィルスソフトが原因である可能性が高いことがわかりましたので、続いて原因となっている他のプログラムの確認方法を記述させていただきます。

トラブルシューティング、特に急を要する場合で即効性がある方法は意外にも簡単な方法です。
Windows にはタスクバーが下に配置されている場合、右下に通知領域と言うものが設けられています。


右下に表示されている日時から左側に続くのが通知領域に表示されているプログラムなどで、一般的には一番右側に上を向いた三角形があり、それを押すとさらに他のプログラムが表示されます。

例で出させていただいている通知領域は私の使っているPCのもので、数がおそらくほとんどの方の半分以下ではないかと思います。使われているPCや利用状況によって大きく異なりますが、ここで見えるプログラムはほとんどがPCを起動した直後から動きだしているもので、「日本製のノートPC」であればびっくりするぐらい大量のプログラムが知らない間に動いていることに気づかされます。

ここに通知されているプログラムの数が多ければ多いほど、PCには負荷がかかっていると言って差し支えないと思います。

もう一つ、トラブルシューティングでわざわざこの方法を紹介しているのは理由があって、ここに通知されているプログラムは割と止めても大丈夫なものが多いにも関わらず、「ハマる」と効果が絶大だからです。

あるプログラムを右クリックして「終了」や「一時停止」があれば止めて、もし動作が著しく改善するようでしたら名前を書き留めておいてください。今の段階ではこの方法で止めても次回再起動すると元に戻ってしまいます。

終了というオプションがなかったら、そのアイコンの上でマウスをホバーさせる(クリックせずにポイントだけする)と普通は名前が出てきますので、その名前も候補としてわかるように書き留めて下さい。

中には名前も見せず、止めさせてもくれない質の悪いのもあります(例:ランサムウェアと呼ばれるプログラム。エロサイトから感染したりするものから、本格的に削除をさせないように作りこまれているものまで様々です)。

まずは止められるものから止めてみて、効果があるかどうかだけ確認しましょう。

ここで「通知領域」そのものにあまりなじみのない方のために、ごくごく一般的に表示されている通知領域のプログラムを紹介します。以下に紹介しているものはとても一般的なものですので、トラブルシューティングで止める必要は「ほぼ」ありません

日時表示の左側から左に向けて、入力言語切り替え設定、IMEと呼ばれる入力言語プログラム(日本語を打てたりします。「あ」とか「A」、入力できない状態では「×」印で表示されます)、音量ミキサー(スピーカやマイクの設定を行うプログラム)、ネットワーク(携帯電話の電波状況のようになっていて、無線LAN設定を行うものもあります)、アクションセンター(Windowsから「こうした方がいいかもよ?」という通知を出してくれるプログラム)となります。


<ケース4:特定のイメージ(プロセス)がCPUを占有してしまっている場合>

最近はCPUが複数のコアで構成されているため(複数のCPUが一つのPCで動いている感じ)、特定のイメージがCPUを占有してしまったとしても動作はそこまで遅くならないと思われます。

とはいえ、複数のコアが搭載されていることを前提にセキュリティソフトやアプリケーション(ソフトウェアのことですね)が作られている傾向にありますので適切なメンテナンスを行っていない場合やCPUコアが一つや二つだとすぐにCPUがひっ迫する事態になることも考えられます。

ここで紹介するケースについては同時にPCのファン(扇風機)が大きな音を出して回り続けるとか、ノートPCで言うと筐体(外側の箱のことですね)が非常に熱を持つなどの現象を伴うことが多いです。

そのような現象に見舞われた場合、まずは確認したいのが「タスクマネージャ」のプロセスタブです。
「Ctrl + Alt + Delete」キーを同時に押すと以下のような画面が表示されます。この中のタスクマネージャを選択(クリック)します。


タスクマネージャを開くと以下のような画面が表示されます。
-Windows 7の場合


この中のプロセスタブを選択します。


-Windows 8.1の場合


Windows 7の場合、今ログインしているユーザさんが使っているイメージ(プロセスとも言う:ざっくりプログラムと考えていただいていいと思います)が一覧で表示されているだけですので、「すべてのユーザーのプロセスを表示(S)」を開いて、PCが使っているすべてのイメージを参照して確認する必要があります。

この中にあるCPUの項目をクリックすると、利用率の高いCPU順に並び替えられますので、一覧のイメージ(プロセス、以下同義として扱います)の中で大きくCPUを使っているイメージを探します。

画像の左側がWindows 7、右側がWindows 8.1のタスクマネージャプロセスタブをCPU利用率が大きい順に並び替えたものになります。並び順を変えると「CPU」という項目に下向きの三角が表示されます。もう一回押すと利用率が少ない順で並び替えられます。

もし、大きくCPUを使っているイメージがありましたら、ここから先は調査が必要になります。何が原因なのかはPCによって変わってきますので名前を確認して(ちょろちょろ動いていてわかりづらい場合は見つけたイメージを名前順で探しましょう)検索する必要があります。

・・・と言われても・・・という声が聞こえてきそうなので、例を挙げて対応方法を見ていきましょう。

かつてWindows XPがPCの主流だったころ、よく聞かれたのがプリンタが「svchost.exe」というプロセスを利用してCPUを食いつぶすという問題がありました。

「svchost.exe」とウェブ検索(Google先生が優秀です)すると、それこそわんさかいろいろと教えてくれるサイトが見つかります。実際のところ、このよく悪者扱いされる「svchost」君ですが、非常に多くのアプリケーションが利用しているとても働き者なのです。しかし、たまーにこの働き者君をこき使ってしまうアプリケーションが出てきてしまいます。

プリンタが原因だった場合はいったん該当するプリンタをアンインストール(削除)して、再インストールするなどの対応が有効なケースが多かったです。

上の例で言うとプリンタですが、私が最近対応したもの中には「Windows Update」がありました。Microsoftさん提供のこのソフトですら、暴走して「svchost」君をこき使ってしまうため、それこそ一つ一つ調べて止め方を確認する必要があります。

ちなみにWindows Updateが原因だった場合、関連するサービス「wuauserv」を止めて現象を確認した上で、Windows Update関連のコンポーネント再構築、Windows Updateを最新にする・・・という方法が有効でした。

Windows Updateの場合はWindowsの機能であるため対応が特殊になりましたが、一般的にはプロセスを止めることで現象が改善するケースが多いと思います。

ここでお願いですが、この記事だけをみてCPUを多く使っているプロセスがあるからと言って止めないでください。今見ていただいているイメージ(プロセス)の一覧の中には、「explorer.exe」などのWindowsが普通に動作するために必要なプログラムなども含まれ、何も知らずに止めてしまうと一般の人では元に戻せなくなります。

早まって止めてしまった人がもしいたら、落ち着いて「Ctrl + Alt + Delete」を押して右下の電源ボタンから「再起動」して下さい。この際保存していないファイルがあって強制終了してしまっても責任は取れませんのでご了承の程・・・(大体聞いてくれるので大丈夫とは思いますがw)

この記事を書いている最中に色々と参考にさせていただいたサイトさんの中で、この「explorer.exe」を敢えて止めるというつわもの記事がありましたw
誘惑を断ち切る方法

確かに他のプログラムが見えなくなるので仕事の誘惑を断ち切るという意味ではいいかもしれませんねwww
復旧の仕方がわからない人は真似しないでくださいw

プロセスの終了方法は簡単で、右クリックでWindows 7なら「プロセスの終了」か「プロセスツリーの終了」を選択、


Windows 8.1なら「タスクの終了」を選択すれば止められます。


ちなみに「explorer.exe」を止めると以下の画像のようになります。タスクバーやスタートボタンが消え、普通の作業ができなくなりますwww



<ケース5: メモリを多く占有しているイメージ(プロセス)を止める>

ケース2に近いものとしてよくあるものが、メモリが大きく占有されてPCが重くなるケースがあります。

最近は64bitアーキテクチャ(わからない人は素通りして下さい。知らなくても人生は充分幸せです)のPCが主流になって、昔からは考えられない16GBとか32GBとかメモリを搭載しているモンスターPCがうじゃうじゃ出てきていますから、あまり気にされずにPCを利用している方も多いのではないでしょうか。

しかし、使い方によってはいくらモンスターでも身動きが取れなくなってしまうことがあります。低価格PCなどはまだ4GB搭載とかで十分普通に使えるため、モンスターでない子もたくさんいるでしょう。

確認の仕方は<ケース4>で開いていただいたタスクマネージャパフォーマンスを見て、物理メモリの利用率が100%近くなっていないかをまず見ます。
この中のメモリ利用率が100%近くなっていたら、動作が重くなっていても不思議はありません。


ここで注意が必要なのは、メモリが多く使われているからと言って、何か悪さをしているプロセスがいるとは限らないことです。
普通に利用しているだけでメモリを大量消費する場合があります。それは・・・デスクトップに保存しているファイルです。

もし、メモリを大量に消費しているプロセスが見当たらなかった場合は、まずデスクトップにあるファイルをいったん「ドキュメント」などのフォルダに移動してみて下さい。これで劇的に物理メモリ利用率が減るようでしたら、それが原因です。

本題に戻らせていただきますが、メモリを大量消費しているプロセスの確認方法は<ケース4>とほとんど変わりません。<ケース4>では「プロセス」タブの「CPU」を確認しましたが、今度は「メモリ」を並び替えすればわかります。

こちらもやはり<ケース4>同様、大量にメモリを消費しているからと言っていきなり止めるのはやめてください。止めようとするプロセスが何かをきちんと確認して、できれば手順などを書いてくれているサイトを探してから行ってください。

<ケース4>、<ケース5>ともに資源(CPUやメモリ)を大量消費しているプロセスを「検索して」止めてもらうようにお願いします。ここで紹介している方法は実際にどこのテクニカルサポートの人間もいちいちWeb検索して利用するような方法です。
僕も様々なケースを見てきましたが、おそらくそれぞれ千差万別なので、一様に「これだっ( ゚Д゚)」とは言いづらいのが現状です。
わからなければコメントで私に聞いていただいても結構です。その際は画像をどうにかして添付していただければ助かります。時間に余裕があれば可能な限りサポートいたします(ただし、私も人間ですのでご希望に沿えない場合がありますこと、ご了承ください)。

再度になりますが、止めてみてPCの動作がおかしくなったら「Ctrl + Alt + Delete」を押して右下にある電源ボタンで再起動して復旧してください。また、そのようなことにならないように止めようとしているものが何かを確認して作業を行ってください。

プロセスを止めてみて、動作が改善するようならそのプロセスの名前を書き留めて下さい。実際には一度止めてもPCを再起動すると動き始めますので、次回の「msconfigを使ってプログラムを停止する方法」を参照して、該当するプログラムを起動しないようにします。
もしくは、そのプログラムが全く必要ないものでしたら、「コントロールパネル」の「プログラムと機能」から該当するプログラムを削除しても良いかと思います。

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2016年12月7日水曜日

パソコンが重くて使えない? ケース1/5 ディスク領域不足

今回はPC全体の動作が重い場合に確認したいところについて解説していきたいと思います。

僕が某ベンダーさんのテクニカルサポートをしていた時には、結構このような問い合わせが多かったのですが、内容によってはこのトラブルは対応難易度が結構高かったように思います。

それはなぜか?というと、「こうしたらこうなった」とか「ここが動かない」とか具体的に何が問題なのかがはっきりしていれば見ていくところも絞り込みができるのですが、「動きが遅い」などの原因がいろいろと考えられるトラブルの場合は手作業で一個一個可能性をつぶしていかなければならなくなるからです。

それに、動作が重い状態の場合、リモート接続用のプログラムなどをインストールすること自体が難しいこともあるので、電話などでの誘導が前提になってしまいますし、誘導する側もされる側も、相当に我慢強さが求められるわけです。
私はこのような対応の時はできるだけユーザさんを飽きさせないような会話を心がけていました。会話の中で仲良くなっちゃうことも良くありましたw (データ削除の際、免責事項が結構多い対応になるため、仕事でこの記事を利用される方はユーザさんと一緒に作業をするのをお勧めします。後から「必要だったファイルを削除されてしまった」と言われると問題になります。)

記事を始める前に、一点だけこのブログを見ていただいている方にお願いしたいことがあります。この記事を書くために調査をしたところ、色々なサイトでPCを軽くするために「PC高速化ソフト」を勧めているサイトが散見されましたが、まずは入れるのを待って下さい。

私もすべての「PC高速化ソフト」を検証しているわけではないので、ひとまとめに言うことは避けたいのですが、メモリの解放やレジストリ最適化を謳っているソフトの中には「有償ソフトを買わせるためにわざとPCを重くするもの」も存在します。Windowsの高速化については別途項目を設けようと思いますが、まずは高速化ソフトを入れず、ここに紹介している内容を確認してください。

ここに書かれているのはWindows標準の機能で行える作業です。ここで書かせていただく内容を試していただいて、そこから使用を検討していただければと思います(私は推奨しませんが・・・)。

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<対象となる現象>

原因はわからないがPCの動作がとにかく重い。

<対象とならない現象>

PCはそれほど重くないが、インターネットの表示が重い、ゲームが重いなどの現象(別途記事を書こうと思います)。

<対応・確認方法>

ここに記載している内容はあくまでトラブルシューティングを前提とした内容になります。利用される方は自己責任でお願いします。必要なデータの消失などについて私では責任を負えません。慎重に作業してください。

・ハードディスク(SSD)の空き容量を確認し、90%以上になっていたら不要なデータを削除したり他の記憶装置(ハードディスク・USBメモリ等)に退避する。<ケース1:この記事です>

セーフモードで起動してみる。<ケース2:ケース2以下は次の記事で紹介します:特定のプログラムが重い場合
・通知領域を確認して普段使わないプログラムを探して止める。<ケース3>
・「タスクマネージャ」の「プロセス」タブを起動してCPUを大きく消費しているプロセスを探して止める。<ケース4>
・「タスクマネージャ」の「パフォーマンス」タブを起動して、物理メモリの使用率が大きくなりすぎていないか確認し、メモリを占有しているプログラムを止める。<ケース5>


<記事ここから>

「最近PCがとても重くて使えなくなったんよ・・・」という問い合わせは、テクニカルサポートをしているとよくある話でした。この対応が入った瞬間に、相当の時間がかかることを覚悟していたものです。

それはなぜかというと・・・
基本的に特別なきっかけがなく重くなった場合、圧倒的に多いのがシステムドライブ(システムが主に使っているドライブ:ハードディスクやSSD)の空き容量がなくなっているケースだったからです。

PCはとても便利なものですし、買ったばかりの頃は快調に使えているので忘れがちなのは理解できます。最近はハードディスクの容量が昔に比べて圧倒的に大きくなったこともあり、動画の録画データだったり写真のデータだったり、整理せずに入れ続けてもちょっとやそっとでは一杯になることがありませんから。

画面の右下に「ディスク領域不足」などと警告が出ている場合、対応はかなり難航する可能性があります。
何故かというと、この警告が出ている時点でWindows が作業できるスペースがほぼなくなっているため、コピーですらまともにさせてもらえなくなっていることが多いからです。

<ケース1:システムドライブの空き容量が少ない場合の対応方法>

まずエクスプローラと呼ばれる、おそらく画面左下のスタートボタンに近いところにある「フォルダ」のマークをクリックして、左側に表示されているはずの「コンピューター」をクリックします。


右側に一覧で表示されているのが、そのコンピュータ上で利用できる機器の一覧になります。
この項目の中で、「ハードディスクドライブ」の項目の一番左上に表示されている「ローカルディスク(C:)」が赤色になっていたら「ディスク領域不足」の警告がなかったとしてももう空き容量は10%以下しかありません。
丁度僕のPCも「ボリューム(E:)」がその状態になっています。僕のPCでは「E:」はシステムドライブではないので、今のところ動作には影響がありません。が、あまり望ましい状況ではないので近いうちに光学式メディア(DVDとかCDとか)にバックアップを取ろうと思います。

もしそうでなかったら<ケース2>に次に見るべき内容を書いていますので、以下は時間がある時にでも見ていただければと思います。

経験的な話で申し訳ないのですが、「ディスク領域不足」の警告が出ている場合、ディスク容量はもうほんのちょっとしかありません。どのくらい少なくなっているかというと、Windowsが作業できるスペースがない、例えばファイルのコピーをする作業スペースすらなくなっている状況です。

ここで本当にざっくりになりますが、あまり理解されていないシステムドライブ(一般的には「C:」と名前がついています)の空き容量について説明させてください。(興味の無い方は「*****システムドライブについてはこれまで*****」まで進んでいただければ対応方法まで進めます。)

*****システムドライブの考え方*****

システムドライブと言われてもなかなか何のことかわかりづらいと思いますが、簡単に言えばオペレーティングシステム(ここではWindows)がインストールされている場所のことを指します。
オペレーティングシステムは、自分がインストールされた場所(ハードディスクやSSDなど)を使って、作業を行ってくれます。

意外に理解されていないことですが、システムドライブに使われているディスクは、ただ単にデータの保管をしているだけではなくオペレーティングシステムの作業場としても使われています。
もっとわかりやすく言うと、物流倉庫みたいなものということです。

物流倉庫ではしばらく発送が行われないものは長期保管用の場所に「わかりやすいように似た者同士を近いところに整理して」保管します。
在庫として保管されているものが発送されるとなると、保管していたスペースから荷物を取り出して、発送用のスペースに持って行き車に乗せて発送します。

そのためには保管場所に行きやすいような通路や、荷物の積み替えや発送するためのスペース、ひょっとすると組み立てを行うスペースなど、作業ができる空間が必要になってくるわけです。

逆に倉庫の空きスペースがなくなった時に何が起こるかというと、新たに入ってきた物は他に似ている在庫があるにも関わらず、その付近にスペースがないため「まったく関連性の無い別の場所」に保管されたり(PCで言うとフラグメンテーションが起こっている状態)、大量に発送する必要があるのに発送する物をまとめて置くスペースがなくなって、入れたり出したりを繰り返す間、長時間にわたってトラックを待たせてしまわなければならなくなります(スラッシングと呼ばれる状態:厳密には少し違いますが)。

考えてみていただければわかると思いますが、倉庫が物にあふれ、通路はともかく作業スペースすらなくなってしまった状態では新たなものを入れられないならまだしも、まとまった量の物を発送することすらままならなくなってしまいます。ディスク領域不足という状態はこのような状況に陥った時に初めて警告してくるのです。

PCでも同じようなことが行われており、端的な例で言うと仮想ディスク領域などがあります。
この点について細かく書き出すときりがない(メモリやCPU、キャッシュなどのそれぞれの役割については機会があれば別途記事にしたいと思います)ため、割愛させていただきますが、重要なポイントはシステムドライブと呼ばれるディスクはオペレーティングシステムにとっては作業スペースとしても機能しているということです。

ですので、システムドライブについてはある程度の空き容量を残して、それ以上にしないようにすることが、重要になってきます。

一般的には3割程度の空きスペースが健全だと言われることが多いみたいですが、最近はハードディスクに比べ圧倒的に高速である代わりに容量がとても少ないSSDなどがシステムドライブとして利用されるケースが増えています。
扱うデータ量に対してすごく制限されたスペースでオペレーティングシステムが作業を行っているわけですので、私個人は利用されているスペースを3割程度(空き領域が7割程度)に抑えるようにしています。

*****システムドライブについてはこれまで*****


では、実際に「ディスク領域不足」に陥ったり、空き容量がほとんどなくてPCの動作に悪影響を及ぼしていたりした場合どのように対応したらいいでしょうか。

まずは落ち着いて、タバコを吸う人は一服、そうでない人は心安らぐ飲み物で落ち着いてください。個人的にはドリップしたコーヒーなんかがお勧めです。

私が本格的なIT系の仕事につき始めた頃、とても驚かされた言葉があります。
まずは落ち着け。システムで人が死ぬことはめったにない。
「やばいっ どうしようっ( ゚Д゚)」ってなっている時に言われたので、張り手食らったぐらいのインパクトでしたが、パニックになった状態でシステムに変更を加えたりすると、思わぬ二次障害を招いてしまうことがあります。ここで対応方法を説明している内容は、どうせ向こう何時間かを要する内容です。まずは落ち着いて、腰を据えて対応する準備と気力を回復して下さい。

落ち着きましたか? 落ち着かれたようでしたら先に進めたいと思います。

まず、普通に考えれば重要なデータを退避させてあげたいところですが、これがディスク領域が不足している状況では難しいです。
細かな仕様は私も理解していないのですが、上に書いている通りPCの作業スペースがないとコピーや切り取りすら行うスペースもなくなってしまっているからです。

実際に私がこのような対応を初めて行ったとき、たまたまあった外付けハードディスクに大事だと言われていた動画ファイルを切り取って移動しようとしたのですが、何が起きたと思われますか?

答え: 無反応

何もしてくれませんでしたw エラーはおろか、全くの無反応でした。

さすがにこれだけは驚かされましたが、Windows PCはコピーや切り取りを行う際に移動しようとしているファイルのサイズと同等かそれ以上の容量の作業スペースを必要とします。

つまり、ファイルのサイズ以上の空きスペースがないと作業自体を放棄しちゃいます。先ほど例に出させていただいた物流倉庫で言うと、倉庫の作業員の人があふれたものの間に挟まってなんとか作業をしようとしても声も出すこともできないほどの状態です。

なので、まずは移動する前に、作業スペースを作ってあげましょう。

-ディスクの空き容量を増やす方法 その1: ゴミ箱を空に

まずはごみ箱を見て、全部不要ならゴミ箱を空にしましょう。

-ディスクの空き容量を増やす方法 その2: 不要なファイルの完全削除

次に基本中の基本、デスクトップやドキュメントなどにある不要なファイルを削除して掃除しましょう。
その際、右クリックして出てくる削除を「Shiftキー」を押しながら左クリックしてください。もしくはファイルを選択した状態(一回だけクリックして色が反転:色が変わった状態)で、「Shiftキー」を押しながら、「Delete」キーを押しても同じです。
そうすると、「完全に削除しますか?」と聞いてきますので、「はい」と押してください。

注意いただきたいのは、「完全に削除」するとそのファイルはもう二度と復旧できないということです(本当はできますが、普通ではできないです)。削除してよいか確認して、落ち着いて作業を進めてください。

通常、ファイルを削除すると、Windows PCでは一旦ファイルをゴミ箱に移動してくれます。ゴミ箱に移動したファイルは、後で右クリックして「元に戻す」と元あった位置に戻してくれます。

つまり、通常の削除を押しても実際にはデータを抹消してくれているわけではないということです。もっと言うと、
データを抹消してはいない
↓↓
ディスク容量を使ったままになっている
↓↓
データ容量は普通の削除をしても増えない
ということです。

ドキュメントが終わったらミュージック、ビデオなどのファイルについても今一度見直してみて下さい。

-ディスクの空き容量を増やす方法 その3: ディスククリーンアップ

次にディスククリーンアップをしましょう。
エクスプローラを開き、左側にある「コンピューター」をクリック、右側に出てくる「ローカルディスクC:」を右クリックしてプロパティを開きます。


プロパティの中にあるディスククリーンアップを選択し、しばらく計算して出てきた結果の左下にある「システムファイルのクリーンアップ」を選択します(管理者権限が必要です。IDとパスワードが求められた場合は権限を持っているユーザではないと言えますので、システム管理者に相談してください。)。




押すと空き領域の計算が始まります。


システムファイルを含めたディスククリーンアップが表示されます。削除するデータカテゴリにチェックを入れて「OK」を押すと作業が始まります。


※この作業を行うと元に戻せませんので注意してください。すぐに作業を開始せず、内容がわかりにくいようでしたら少し待って最後まで読んで下さい。最後まで読んだ上で、それでも僕を信じないで他のサイトで裏打ちを取るぐらいの慎重さを持っていただければと思います。

通常のクリーンアップでは特に必要にはならないのですが、「ディスク領域不足」のエラーが出ている場合、特にこの作業を行うことで劇的にディスクスペースを増えることがあります。

この記事を読んでいただいている方の中にも、例えば「Windowsのアップグレードインストールを行った直後」からディスク容量が急に少なくなったということでこの記事にたどり着いた方がいるかもしれません。

「Windowsのアップグレードインストール」を行うと、アップグレードインストールが失敗したときのために※元の状態に戻すために必要な全ファイルを保存するため、知らない間に容量がひっ迫するということがよくあります。

システムファイルのクリーンアップは、このようなファイルも含めて一括して消去してくれるので、この方法は特に有効になるわけです。
(余談になりますが、この際に作成されるフォルダは大まかに「Windows.old」というフォルダと隠しフォルダになる「$Windows.~BT」というフォルダになります。このキーワードで探せば、削除の方法はいろいろと出てくると思います。私も機会があればこの点について触れていきたいと思います。)

もし、アップグレードインストール後に問題があり、特にドライバなどがうまく動いていないなどの現象がある場合は、迷わずMicrosoftのテクニカルサポートに連絡するとよいと思います。その時の最新情報で対応してもらえるはずです(インストール成功?後のロールバック等々)。

基本的には全ての項目にチェックを入れても大丈夫ですが、気になる項目があるようでしたら項目一つ一つ確認しながら作業をしてください。

システムファイルのクリーンアップを行うと、それまでたまっていたWindows Updateのインストール用ファイルなどの単にシステムが利用していたファイルなどが削除されていきます。メンテナンスを行っていないPCでは劇的に容量が増えると思います。

-ディスクの空き容量を増やす方法 その4: 復元ポイントの削除

復元ポイントのデータを削除しましょう。
Windowsは、システムに変更が加わるタイミング、例えば何かのプログラムのインストールだったり、Windows updateだったりをするたびごとに復元ポイントと呼ばれる「元の状態に戻すためのデータ」を保存します。

このデータなんですが、普通に使っていると10GB(ギガバイト)近くの容量を使っていることがあります。今行っているのがトラブル対応で、元に戻す必要がない場合は削除しましょう。
※逆にソフトウェアのインストールを行った直後から問題が発生しているようでしたら、作業を行わずに復元ポイントからの復元で現象が改善する可能性がありますので以下は行わないで下さい。

Windows 7 の場合はスタートボタンを押して、「コンピューター」を右クリック、その中のプロパティを選択します。


Windows 8シリーズの場合は入り口だけ少し違っていて、左下のスタートボタン(か、Windows 8 の場合は画面左下隅)を右クリックして、「システム」を開きます。Windows用のPCであればキーボード左下にあるWindowsキー(窓格子がついた窓のようなマークのキー)を押しながら「X」を押してもメニューが出てきます。


画面の左側にある「システムの保護」を押します(Win8シリーズ、Win7でほとんど画面は変わりません)。


開いたシステムのプロパティ画面の下の方に「構成」というボタンがあるので、これを押し、


「システムの保護対象 ローカルディスク(C:)」の画面右下にある、「削除」ボタンを押すと削除できます。


この操作を行う上で注意しなければならないのは、削除してしまうとシステムの復元ができなくなるということです。再びの注意になりますが、もし何かのプログラムをインストールしてから問題が発生しているのであれば、この対応は行わないで残しておきましょう

-ディスクの空き容量を増やす方法 その5: IEの閲覧の履歴削除

ここはそれほどの容量があるかは不明ですが、長くなんのメンテナンスもしてなかったとしたら結構な容量を使っているかもしれません。
トラブルシューティングを行っている場合は、IE(インターネットエクスプローラ:このマーク)を開くと時間がかかってしまうため、全てのコントロールパネル項目にある、インターネットのプロパティから閲覧の履歴にある削除ボタンを押し、必要のないものは削除しましょう。

コントロールパネルを開き、表示方法を「小さなアイコン」にするとその中に「インターネットオプション」があります。


「閲覧の履歴」の項目の中に削除と言うボタンがあります。


「閲覧の履歴の削除」の項目にあるチェックボックスで問題のなさそうな項目を選択して右下の削除ボタンを押します。


上の4つは削除しても特に問題ないと思います。過去に閲覧したサイトの表示を速くするために保存しているものです。

「ダウンロードの履歴」は過去に自動でダウンロードされたファイルです。もし過去にダウンロードしたかも知れないものの中で、どこからダウンロードしたかわからないものがあれば、必要かもしれません。でなければ必要ありません。

「フォームデータ」は過去のインターネットエクスプローラ(IE)に入力した内容を覚えてくれているものです。例えばGoogleに検索文字列を入力した内容、例えば「パソコンが重い」「パソコンが遅い」という入力したら「パソコン」と入力したタイミングで下に過去に「こんな内容を入力したよ」ということで一覧で見せてくれるものです。よく使うのであれば残していても大きく影響するものではないと思います。

パスワードなどについては削除したくないものもあるかもしれません。例えばゲームを行う時のパスワードなどは入れたままになっていて忘れている場合もあるので、そのような場合はチェックしない方が良いかもしれません。
ただし、パスワードをIEなどに記憶させるのは私は推奨しません

「追跡防止・・・」他のデータはそのままにしておきましょう。

話がそれてしまいますが、クローン作製のためのPCキッティングの場合、ドライバなどを入れていくために相当のファイルをインターネットから取得します。これらのファイルなどを一括して削除するのにも、とても有効です。

ここまで方法のその5までご説明しましたが、大体のケースではここまでやると空きスペースはそれなりに(少なくとも数GB程度)空いているはずですので、後は外付けのハードディスクなど、システムドライブ以外のストレージ(記憶装置:ハードディスクやSSDなど)に動画などの重いファイルを「切り取って」移動して下さい

PCの重い原因がシステムドライブでしたら、ここまでの内容でかなり軽減していると思います。次の記事ではCPUやメモリを占有したプログラムがある場合などを扱いたいと思います。
⇒ 次の記事はこちら:特定のプログラムが重い場合

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2016年11月5日土曜日

検証してみた: 50度以上の湯に90秒以上曝すとカビは死滅するか?

家のかあちゃんはテレビっ子である。料理や生活、健康に関する番組をよく見ている。

一方俺は地デ鹿のおかげでB-Casカードが導入されて、PCに挿していたテレビカードで見ていたテレビも探知されたのか、以来めちゃくちゃNHKのお宅訪問が増えたのでカードをぶち抜いた。以来訪問はなくなった。
おそらくNHKの方たちには相当な情報が流れているのではないかと勘繰りたくなった。

ステルスマーケティングでわけのわからない洗脳されて、その上お金払うよりは自分の好きな動画だけ見ていた方がよほど健全だと思うのだ。(今日はトラブルシューティング系の話でないので普段の言葉遣いで失礼・・・。)

話がそれてしまったが、そんなわけでテレビのお役立ち情報は「うちの(リアル)かあちゃんフィルタ」を通して俺に届いている、とこういう次第で。

それで、ずいぶん前になるが風呂のカビの話をしたところ、「ためしてガッテン」という番組で「50度のお湯を90秒以上かけ続けると死滅するらしい」と言われた。

大部分ってどの程度だ?っていうか死滅ってほんとに完全にいなくなるってことでないのか?という疑問を持ちつつも確かに一定以上の熱に曝露されれば死ぬかもしれないなぁ・・・と気にはなっていた。

その時の疑問を端的にまとめると、カビって「風の谷のナウシカ」の「蟲」の世界並みに増殖が激しくて、
「だめだぁ・・・こんなところまで菌糸が来ているっ (ノД`)・゜・。」
ってな具合に繁殖力が激しいイメージがあって、「大部分が死滅」したところで実行制圧能力に疑問がある・・・と、こう思ったわけであるっ ( ゚Д゚)

で、実際にどのくらいの繁殖力なのかと調べてみると、案の定
*******************************************************
米一粒がカビの菌糸一つだと考えた場合、一粒が1週間で直径60mの稲田に成長するぐらいの速度
*******************************************************
だと言うではないか ( ゚Д゚)
(出展: 知られざるカビのすごさ:衛生微生物研究センター

どのくらいの粒数になるか計算するのはめんどくさすぎるので置いておいたとして、そのぐらいの繁殖力のある奴がタイルやプラスティックの隙間に根を降ろしているとしたら、そいつらが死ぬ確率って・・・

と俺の頭の中では以下のような普通曲線が頭をよぎるのである
普通曲線イメージ図
(出典: Math is FUN: Standard Normal Distribution Table ⇒ このサイトはよくできていて普通曲線上の偏差?というのがどの辺でどの割合になるかを見せてくれる。(※俺は統計学を本気で勉強したのがアメリカだったので、日本語でどのように言うかよくわからないし、内容が分かれば日本語でなんというかについて興味もない。ちなみに俺は理系の人でもない。)

仮に「3 standard deviation」が90秒だとして、99.87%が死ぬ ⇒ 0.13%は生きている ⇒ そいつらがまた増殖する ということなのではないのかっ?! とこう考えてしまうのである。

ちなみにアメリカで勉強した際に、まさにMBA受講のPrerequisites(受講に先立って取得が必要な講義?)だった統計学で、「権威があるからと言って手放しに信じるという姿勢は科学的とは言えない。」と言われて以降、俺は全てを疑ってみることにしているため、天下のNHK様が言ったからと言ってとても信じる気にはなれない。

しかし、この辺のお役立ち情報はブログに書かれている件数が多いわりに、実際にやってみて、効果がどうだったのか?という点について書いてくれているところが見つからなかったので、自分なりに納得のいく形で検証してみた。

<検証方法>

バケツの中にカビが生えている対象物を入れ、そのバケツを60度弱程度のお湯で満たしたまま、15分以上の間温度を保つ。
今回対象物: 取り外しができるシンクと風呂場の排水口部品、及び浴室ラック(分解済み)

<検証結果確認方法>

事前に可能な限りお湯と中性洗剤を使ってスポンジで洗浄し、その時点で残っているカビと思われるものが上記条件のお湯に暴露された後に同条件で洗浄をした際の違いを確認する。

<結果>

かなりの効果が確認できる。詳細は下記記事に譲る。
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<記事ここから>

前置きが長すぎるがw


上の実験をするために欠かすことができないのが水温計なのだが、これを探すために近所のシマチューさんを1時間散策した挙句、目的外の内装屋さんご用達のカッターを買ってしまった orz
大体水温計がこれだけ探すのに苦労するものだとは事前に想像し難いが、今の日本では中年男性が想像する温度計は通常手に入りにくいものらしい。

水温計が欲しい時は、揚げ物用の鍋付近を探すことをお勧めしたい。

<水温計>

TanitaさんはR-1ヨーグルトを培養するための保温器で大変お世話になっている。いい仕事してくれること請け合いだ。

<実験方法>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか
バケツに対象物を入れ、重しのために砥石を上から押さえつける形で入れる。
お湯は流しっぱなしにして、常に一定以上の温度になるようにする。
大体58℃を保っているのがわかる。このまま15分以上(合間に色々しているので15分以上曝露していることだけ担保している)放置する。
90秒を「3 standard deviation」だとすると、「30 standard deviation」の効果が期待できる・・・というのは文系の言い訳に過ぎない。「充分長い間曝露した」と言いたいがための時間である。

<排水口パーツ全体:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 全体:前
後の言い訳にしたくないので、かなり真剣に洗浄している。ちなみに使ったのはいつもの歯ブラシの使い古しとスポンジである。

<排水口パーツ全体:実施後>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 全体:後
色々裏返しになっているため、見た目の違いが公平に評価できない。が、ちょっと綺麗に見える。ちなみに画像右下に見えているのは今回検証のために購入したブラシである。
色々な大きさの隙間に入り込んで掃除してくれるすぐれものである。ちなみにメーカ等の情報は既に捨ててしまった。どうせどこにでもある。

<風呂場排水口、目皿:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室目皿:前
この写真を後から見て、上で紹介したブラシで間を洗っていないことに気がついた。
この写真は検証の材料にはなれない、が参考にはなるかもしれない。

<風呂場排水口、目皿:実施後>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室目皿:後
一見影にしか見えなかった実施前の写真の隙間が実はカビの集落の塊だったことがわかる。集落と言うよりは東海道五十三次である。ちなみに東海道五十三次の現代版であることを申し添えておく。

<風呂場排水口、本体:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室排水口:前
これでも結構本気で使い古しの歯ブラシで洗ったつもりである。端の方の黒ずみにお気づきいただけるだろうか。

<風呂場排水口、本体:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室排水口:後
このパーツを洗った時の感想は、同じ歯ブラシを使って数十回こすって取れなかったカビが、2・3回こすっただけで何もなかったかのように取れてしまうということである。
これはプラスティック表面に根を張っていたカビの根がお湯の力で取れてしまったということだろうか。初めから何もなかったかのような表面の美しさである。

<浴室用ラック、土台:実施前>
実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:前

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:前

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:前
この手の浴室用ラックは抗菌加工しているというのが大体謳い文句だが、中年男子のヘヴィデューティには耐えられないようだ。
どれだけこすっても消えない集落が存在する。これは本当に、すごい勢いでこすっても取れない集落だ。「下々の者どもがこれほどまでに土地に執着するとはわらわも想像していなかったぞよ・・・」という声が聞こえてきそうである。

<浴室用ラック、土台:実施後>

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:後

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:後

実験 カビを50度以上のお湯に浸けるとどうなるか 浴室ラック:後
「言うたであろ?わらわの言った通り土地に張り付くなど愚の骨頂ぢゃっ」
結構本気でこすった実施前とは比べ物にならないほど軽い労力でカビの根が見えなくなってしまった。

今回の実証実験で言えることは、「50度以上のお湯に15分以上曝露されるとカビは驚くほど簡単にこすって取れる」ということである。
そういえば「ためしてガッテン」ではこするなとか書いてあったな・・・ カビはコスって落とすものだっ 異論は認めんっ (ノД`)・゜・。 (パッキン等ゴム製製品をこするのはやめましょう)

風呂場の壁面等、お湯に浸せない状態のものについてはいずれ時が満ちた時に検証するものとする。
今日のところはこれで勘弁してやるっ( ゚Д゚)
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2016年11月3日木曜日

Windows8/8.1 セーフモード、スタートアップ: トラブルシューティングのための設定

今後色々なトラブルシューティングについてできるだけ平易な文章で解説していきたいと考えているのですが、Windows 8 以降、トラブルシューティングを行う上で絶対に忘れてはならない変更が行われているため、まずはその変更について書かせていただきます。

<この記事の内容>

Windows 7 以前に利用されていた起動方法でWindows 8 以降のオペレーティングシステムを起動できるようにする。具体的には、UEFI(旧BIOS)起動とセーフモード起動ができるようにする。

<対象となるトラブル・トラブルシューティング>

・問題が発生した時に備えて、セーフモードやBIOS画面(UEFI画面)で起動したい場合
msconfigなどを利用して起動方法に変更を加える場合

<結論:設定方法>

・コントロールパネル > 電源オプション > 電源ボタンの動作の選択 にある高速スタートアップの無効化。
・コマンドプロンプト(管理者)を起動し、コマンド「bcdedit /set {default} bootmenupolicy legacy」を入力して実行。戻す場合は「bcdedit /set {default} bootmenupolicy standard」と入力して実行。

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<記事ここから>

Windows 8 は起動が早い」などとかつて言われ、その点はWindows 10もおそらく変わっていないと思います。起動の早い要因に上げられるのが「実はシャットダウンしていない」ことです。

意外に知られていないのですがWindows 8 の高速スタートアップを有効にすると、Hibernation mode と呼ばれる「休止状態」に近い形で電源をオフにしたりオンにしたりしています。

ものすごくざっくりと、この休止状態とスリープそして従来のシャットダウンを説明させていただくと以下のようになります。

スリープ
メモリに格納している情報をそのままの状態でハードディスクなどの電源を落とし、起動時は格納されているメモリの情報をそのまま参照して起動する
メモリとかハードディスクとかについての説明はゆくゆく紹介させていただければと思いますが、分からないという方は読み飛ばしていただいて大丈夫です。
全て知らなくてもできることは多いですからw

休止状態
上のスリープではメモリに格納している情報をそのままの状態で不必要な機器の電源を落とすということをしていました。
メモリは情報を記憶したままにするためには定期的に電流を流しておく必要があるため、スリープでは消費電力を完全には抑えることができません。
そのため、休止状態ではメモリに格納していたデータをいったん電源が落ちても記憶し続けられるハードディスクに移動し、全ての電源をオフにします。
逆に休止状態からの復旧を行う場合、ハードディスクに移動したデータをメモリにそのまま移動し、利用していた状態で起動できるようにしています。

シャットダウン
従来のシャットダウンの場合、全てのプログラムが利用していたデータは一旦ハードディスクに記憶させられ、全ての電源をオフにします。
逆に起動した際にも、メモリ上に呼び出されていた情報が全くないところから起動を行いますので、Windowsが必要とするドライバ情報など全てをハードディスクから読みだすということを行います。

詳細についての説明がほしい方はこちらで確認ができます。

高速スタートアップを利用したシャットダウンでは、休止状態に近い状態になっているとお話ししましたが、実際には以下のようなことを行っています。

PCが起動している状態でメモリに格納されているデータを2つに分けて考えることができます。
一つはプログラムなどが利用しているごく一般に言われるデータと呼ばれるもの、もう一つはメモリ上に配置されているWindowそのものが利用しているデータです。この中にはOSが利用しているドライバ情報などが含まれています。

そして、高速スタートアップでは何を行っているかというと、一般に言われているデータ自体はハードディスクに「保存」を行い、Windows が必要とするメモリに格納された情報のみ、休止状態の形でハードディスクに「移動」して電源をオフにしています。

こうすることでハードディスクに移動し、起動時に呼び出す情報を少なくして起動をより速くするということをしているわけです。

このような起動方法を取ることでより早く起動することができるようにしているWindows 8 以降のオペレーティングシステム(OS)ですが、以下のようなトラブルやトラブルシューティングの際に問題になってきます。

1.休止状態(高速スタートアップでのシャットダウン)中に、USB接続している機器が別の接続口(ポート)に差し替えられてしまった場合
2msconfigなどのツールを使って起動方法を変更した際に問題が発生してしまった場合
3.起動自体に問題が発生した場合

1.については、例えばWindows 7 で休止状態中にポートの差し替えを行うとスタートアップ修復が動きだし、対応方法がわからないとPCが壊れたと勘違いされてしまいます。
スタートアップ修復が起動してしまってPCが使えないと呼び出されたりした時、セーフモードで起動するとドライバ情報の読み出しをしてくれるので、セーフモード起動できればこのケースはすぐに回復可能です。

2.については、「msconfigによるWindows高速化」の項目で詳述しますが実際にあるサービスを止めることでPC起動しなくなってしまうというトラブルが報告されていました。
止めるとトラブルになるものとしては、指紋認証などのログインと連携して動かしているサービスなどが多いです。

3.については運よくWindows 8 などが起動に異常を検知してくれれば良いですが、検知されなかった場合はかなりトラブルシューティングが難航してしまう原因になります。
高速スタートアップ起動を行うために、Windows 8以降のバージョンは専用の設定・トラブルシューティング画面を用意しています。
内容を見ればそこまで難しくはないのですが、従来の考え方とは一線を画してしまっていて、且つトラブルの時ぐらいしか見る必要がないのでPCに慣れている人でも戸惑ってしまうようです。


実際の設定方法は以下の通りです。

<高速スタートアップ無効化>

「コントロールパネル」を開きます。

「電源オプション」を開きます(表示方法を「小さいアイコン」にすると見つかります)。

「電源ボタンの動作の選択」を開きます。

「現在利用可能ではない設定を変更します」をいったん押し、高速スタートアップ起動を無効にします(下の画像の赤丸です)。
高速スタートアップの設定を行う画面


<セーフモード起動選択画面の表示:Windows 8シリーズの場合>

画面左下のスタートボタン(厳密にはスタートボタンではないですが)を右クリックし、その中の「コマンドプロンプト(管理者)」を左クリックします(Windows 8.1 の場合)

コマンドプロンプト画面で以下のコマンドを入力し、Enter押します。
bcdedit /set {default} bootmenupolicy legacy

【元に戻すコマンドは以下の通りです。】
bcdedit /set {default} bootmenupolicy standard

この設定を「legacy」にすることで、Windows が起動する前に「F8」キーを押すと詳細ブートオプション画面が出てきます。その中の、「セーフモード」を指定(キーボードの矢印キーで選択)して「Enter」を押すことでセーフモード起動ができます。

セーフモード起動については上の画像にある「ファイル名を指定して実行」などで「msconfig」と入力してシステム構成画面を開き、「ブート」タブにある「セーフブート」を選択して適用・再起動を行っても行うことができます。

この場合、選択画面が出てくるのではなく毎回問答無用でセーフモードで起動するようになってしまうため、起動時のトラブルシューティングとしてはあまり使えない気がします。
起動時にトラブルを起こしているので、まずシステム構成を開くことができないことを前提に言っているのですが・・・

ここで注意点として、というか久しぶりだったので検証のため自分のPCでやってみたのですが、
で・・・できないっ( ゚Д゚)

UEFIのブート周りの設定なのか?と思って色々調べてみたら、以下のサイトを見つけました。
How to Enable or Disable Legacy F8 Advanced Boot Options in Windows 10

このサイトの中で、
**************************************************
「If you have Fast Boot enabled in your UEFI firmware settings, then you will not be able to boot the Advanced Boot Options screen since you will not have time to press F8 before Windows starts.」

とあり、簡単に訳すと

「UEFI設定の中でFast Boot(高速起動)設定が有効になっていると、F8ボタンを押しても詳細ブートオプション画面は表示されない」
**************************************************
ということです。

では、ということで早速UEFI画面を見てみると・・・
ASRockのUEFI起動設定、高速起動設定の項目です

うーん・・・ ちゃんと「Disabled」になってる・・・

ひょっとして・・・と、思ってASRockの表示が出ている(EFIインストールをしてるとマザーボードメーカのロゴがWindowsの窓のマークの代わりに表示されます。いつかインストールの話を書くときが来たら紹介しますね)で「F8」を連打ではなく
長押しっ
したら表示されました(*´▽`*)

私の使っているマザーボードがタマタマ「F8」キーを使っていなかったのでできましたが、ひょっとして使っているマザーボードのシリーズだとできないかもしれません。そのようなマザーがあるかどうかも私は知りませんが・・・w

ノートPCなどのパソコンはこの辺りの設定を出荷時点で色々している可能性があります。UEFIの設定などを行う場合は、「自分が何をしたのか絶対に覚えておく」ことが必要です。
触ったことのない人はなるべく触らないように、もし触るならいちいち書き留めて、後で戻せるようにして下さい。「触りすぎて元に戻せなくなった・・・」という問い合わせがこれに限らず多すぎますwww
テクニカルサポートの人は頑張って直そうとしてくれると思いますが、そもそも自分のPCですから自分で責任を持って作業してください。それができないなら触らずに詳しい人に相談するのが無難と思います。

<所感>

未だに起動時間の高速化については、Windows 98から使っている私からするとなぜそこまでにこだわるのだろうか・・・?と疑問に思ってしまいます。
昔から考えると個々の部品が高機能になっていて、相当に起動や動作が早くなっているのでそこまでしなくても電源を入れて飲み物を用意している間に起動が終わっていると思うのですが、忙しい人が増えたんですかね・・・?

セーフモード起動に関してはさすがに毎回は面倒なので設定していませんが、僕のPCでは高速スタートアップは無効化していますこれは僕が組み立てた母親のPCも同様です。
理由は、トラブルがあった場合に対応しやすいという一点に限ります。
<上記取り消し線訂正:20161103>
「F8」キーを押さないと出てこないので、念のため設定しときました。ついでに言うと、管理者権限のコマンドプロンプトに「bcdedit」と入力して実行すると現在の設定が見れます。
<訂正ここまで:20161103>

僕の友人にはPCの起動時間がテレビみたいに早くないからいらいらするのでPCは使わないという人もいます。そこまで生き急いでどうするんだろう?とも思うのですが、やはりイライラしてしまうんでしょうねw

本日はこれまで。まじめな話に終始してすみませんでした。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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2016年10月29日土曜日

「L」と「R」の組み合わせの発音: 無料でできる英語勉強法 発音編パート3

<それぞれのパターンのRとLの組み合わせの発音>

私がかつて居候していた家は住宅街のど真ん中で、家の近くでタバコを売っている場所へはリスが我が物顔で走り回っている綺麗な芝の丘を通り抜ける必要がありました。
あ、いえ、ここは記事とは全く関係ないのですがw

で、そのガソリンスタンド併設のショップに行って、タバコを注文するのですが当然のごとく棚から客が取るような形にはなっていません。
店員さんに「どれが欲しいか」を伝えなくてはならないのです・・・

私はアメリカに行く前は、マイルドセブンのエクストラライトを吸っていたのですが、アメリカでは普通には売っていなかったため(当然と言えば当然ですが。ただしちょっと高めになりますが行くところに行けばあります。今はひょっとすると手に入りやすいかも知れません。)それに近いタバコを買っていました。

それが・・・「Marlboro Ultra Lights」です。

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ええ、なんでこんな「R」と「L」が入り混じったネーミングするかな・・・ と思ってはみても、ここであきらめられないのがヘヴィスモーカーの悲しい性です。

で、大体このお店、僕が行くタイミングではいつも同じ兄ちゃんが居たのですが、初めて行った時からこの哀れな日本人にやさしくしてくれました。

まず、年齢確認ですが、意外にアメリカは「何々ができる年齢」を確認するのは厳しく、酒などたばこは決して年齢が達していないと売ってくれません。
当初私は車を持っていなかったので、パスポートを差し出し、
「I need tobacco」
と伝えると、物珍しいパスポートと私の顔を交互にしげしげと眺めながら年齢確認をした兄ちゃんは、当然のように悪魔のような要求をしてきます。
「Which one?」

「マルボロウルトラライト」では当然伝わりません。数分間のやり取りの後、やっとこさ僕が買いたいものがわかったこの兄ちゃん、懇切丁寧に「Marlboro ultra lights」の発音の練習に何回も付き合ってくれました。
「外国に来て生活するのって大変だなぁ」みたいなことを言ってました。

それからしばらくの間、行く度に私が何を買いに来たのか知っているくせに、「Which one?」と聞いてくれた兄ちゃんは、まあ私が気が変わるかもしれない可能性もあるのでしょうが、私の練習に付き合ってくれていたのだと思います。
その内間違いなく通じるようになると、
「Tobacco?」(兄ちゃん)
「Yeah」(私)
で事足りるようになりました。その内世間話をするようにもなったのですが、私が引っ越したのと時を同じくしてその兄ちゃんもあのお店を辞めたみたいでした。

で、本題に戻るのですが、この「Marlboro Ultra Lights」は二つのパターンの「L」と「R」全部を使わないととても伝わりません。
何故って毎回舌を上の歯につけたり舌の根を喉に近づけていると発音している間に時間が経過してしまい「何を言っているのか聞いている人がわからなくなってしまう」からです。
ひょっとすると人間ですので、練習次第でできるようになってしまうかもしれませんが。。。

それではどのように発音するかというと、前の音節の舌の位置と強調すべき音の組み合わせで決まってくるようです。

Marl-bo-ro Ul-tra Lights

正確な音節の区切り位置は怪しいのですが、一つ一つ前後との関係も合わせて解説すると以下のようになります。毎回舌根を喉に近づける・・・などと書いていると書いている方も見ている方も苦しいので、以下のように書き分けます
L: 舌先を上の歯につけて発音する「L」
l: 舌の力を抜いて、下の歯につけて発音する「L」
R: 舌を広げて口の奥から前方に向けて(もしくは前方から奥に向けて)舌を移動して発音する「R」
r: 舌根を喉の奥に近づけて発音する「R」

1.Marl ⇒ Marl
「a」を発音した後で、舌は続く「L」の舌の位置への移動がしやすいことから、舌の根を喉の奥に近づけ、そのまま下の歯に近づけて「L」まで発音します。
この場合の「R」の発音はとても短いのでそこまでしなくても「Mal」でも通じると思います。

2.bo-ro ⇒ bo-ro または bo-Ro どちらでも
「bo」を発音した後は、舌の位置はどちらにでも移動しやすく「どちらでも発音しやすい方」でいいんではないかと思います。
私個人は「bo-Ro」の方が発音しやすいため、こちらで発音していると思います。

3.Ul ⇒ Ul
やはり母音の後に来ている「L」なので、「l」になると思います。

4.tra ⇒ tRa
子音の「t」が「R」の前に来ており、舌は発音のため上の前歯付近を一回叩きます。その流れで自然に舌を動かすと、そのまま舌を後ろに広げていく方が発音「しやすい」のでそうしています。(ここまで来たらわかると思いますが、「R」の発音は舌の動きやすい方で発音しても構わないということです。)

5.Lights ⇒ Lights
音節の初めに「L」が来ているため、舌はしっかりと上の前歯につけて発音します。

ここまで書いていて大変申し訳ないのですが、はっきり言って根拠などまるでないっ ( ゚Д゚) です。本当にすみません。
ただ、一言申し添えますと、私は「R」と「L」の発音で聞き間違えられたことはこれを身に着けてからは全くありません。

それと、タバコ屋の兄ちゃん含め、いろいろな人に教わってたどり着いた私の中では「結論」なので、そこまで違うこともないのかな・・・なんて思います。
この点、アメリカ人は「通じれば良い」と大半が考えている移民の国なので、アメリカに行くことを考えている人はそれでいいのではないのでしょうか?
女王様の英語のお国様には私は観光以外で行くつもりは全くありませんので、行くご予定の方はしっかりとQueen's Englishと呼ばれる発音を身につけられてくださいw

今日はここまで。次回は「F」、「V」と「SH」の発音について紹介したいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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